「諸君、明日はもっと良いものをつくろう」@ガウディ | のかたあきこの聞き書き、町、人、温泉!

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先日の『美の巨人たち』は、アントニオ・ガウディの『サグラダ・ファミリア』。

主任建築家の外尾悦郎さんが福岡出身ということを知って以来、
あの美しい、未完の世界文化遺産を、改めて意識することになりました。
(外尾さんを芸術に向かわせたどこかに、ふるさとの何かがあるのか、とか、
同郷として興味あるんです。)

『サグラダ・ファミリア』の建築がはじめられたのは1882年。
最初のファサード「生誕の門」が完成したのが2000年。
その「生誕の門」が、世界文化遺産に登録されたのが2005年。
今は約300人の芸術家が、
「天国に引っ張られているかのような聖堂」の完成を目指しています。

彫刻モチーフ(果実や芽、葉、虫なども!)や、構造などに込められた思い。
エッフェル塔をシンボルとする「鉄」の建造物が主役となりはじめた時代に、
あえて「石」の教会をつくる目的。このへんのことはこれから勉強してみたいなぁ、と思います。

外尾悦郎さんの『ガウディの伝言』を読んでみたので、
心に残った言葉を少しピックアップします。

「目に見えている自然の向こうに、目に見えない秩序を読み取り、
それを建物の構造に活かそうとしていた。それがガウディです。」

「自然を直感的に捉え、自分の手を信じて、とりあえずものをつくってみようとするのが職人の精神です。
その中で、多くの失敗から学んでいく」

「時代を超えて、祈りが捧げられ、つくり続けられていく一つのもの。
多くの人が愛情を捧げ、永遠に満たされていくもの」


「アダムとイブの昔から、数え切れない人々が地球の表面に生まれ、自然から恵みを与えられて生き、働き、子を産み、育て、ものをつくり、街を大きくし、戦争で破壊し、また新たな街をつくり、希望と絶望を繰り返しながら、絶え間ない変化を繰り返してきた。その向こうにある本当に変わらない真実を、ガウディは探していた気がします。そして、それをサグラダ・ファミリアに託しました」


ちなみに、タイトルの「諸君、明日はもっと良いものをつくろう」は、
ガウディが事故で亡くなる少し前に、仕事を終えた職人にかけた言葉だそうです。