あんのこと 新宿武蔵野館 | この辺りの見所の者

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2024/6/17 新宿武蔵野館 12:30分の部

話題の映画「あんのこと」を観た。河合優実さんは、「愛なのに」でしり、「PLAN75」や「少女は卒業しない」などを観た。


テーマは重い。場所が赤羽で昔、隣の東十條に住んでいたので赤羽はしょっちゅう歩いて行ってた。


河合優実に尽きる。静の演技の凄味。台詞はあまり無いのだけど存在の気が凄くて感覚的に息が出来なかった。


映画終盤に、河合優実演じる杏は画面から消えるのだけど、その後のエピローグは普通の映画になっていた。佐藤二朗も稲垣吾郎も良かったけど、河合優実と一緒のときといなくなってからのときでは画の密度感がハッキリと違っていた。

映画自体は、ここいるのかなとか思ったりしたけど河合優実で映画として成立していた。奥行きのある凄味に圧倒されたな。


皮肉なことに河合優実演じる杏みたいな境遇の人には、この映画はおそらく届かない。みんなで何とかしようと言う綺麗事も言いたくない。


正義が人を追い込んで行くとこまで行ってしまう事に対して、佐藤二朗演じる刑事が「わかんねえーよ。」と言わせて結論を出させなかった。曖昧にしたのは何故かなとは思った。作品そのものに共感出来ない部分も無くはないけど、河合優実の演技は別格だったな。