2024/6/14
動楽亭
桂九ノー/青菜
桂九ノー/厩火事
月亭太遊/にんべんにうし
仲入り
桂九ノー/植木屋娘
コロナ禍で動楽亭に行くのは4年半ぶり。行く数日前に動楽亭席亭でもある桂ざこば師匠が天に旅立った。いや地獄八景で故桂米朝師匠に出迎えられているのかも。
開場からやや遅れて動楽亭へ。かぶりつき真ん中の座椅子が空いていた。遠慮なく座る。ほぼ満員の客で、九ノーさんの集客力に唸る。
最近はお江戸にも積極的に出ている九ノーさん。梅田ラテラルの梅9以来の高座となる。
二番太鼓が始まり、こっちもギヤを入れ始める。
出囃子が始まる直前、九ノーさんが「行きまーす。」どガンダムのアムロ並みの大声を出し出囃子が始まった。気合入っている。
最初の青菜、丁寧な情景描写。前は一直線に突進するイメージだったけど、テンポの緩急を使うようになっていて、単調になっていない。グルーヴ感が出て来た。
二席目は厩火事。目線での情景描写がわかりやすい。緩急と高低のテンポと声で立体感ある。
仲入り前はゲストの月亭太遊さん。前にお江戸日本橋亭で観たけど、上方ではお初。
出囃子からの登場が誰かに似てるなと思って脳内フル回転。江戸の故柳家喜多八師匠の出に似ていた。暗いオーラにやさぐれ感満載。
今の自らの境遇を愚痴るマクラから始まり、ネタは、創作落語の、にんべんにうし。件の字で、くだんと読む。妖怪で頭に人間で身体は牛。太遊さんの件は頭はハゲの中年。太遊さん自身のやさぐれ感と、荒唐無稽なこのネタてはピタっとハマっている。結構ウケていた。サゲが、実質的には六代目のくだりかな。結構毒だったけど。
仲入り後のトリネタは九ノーさんの植木屋娘。テンション高くテンポ早めで一気に駆け抜けた。
久しぶりの動楽亭は楽しかった。ざこば師匠が天に行った直後で重い空気かなと思っていたけど、微塵も感じさせない明るい高座でした。