先日、実家で整理をしている母からLINEがきた。自分の幼馴染のお母さんが亡くなられたときた。
小さい頃、幼馴染の家によく遊びに行っていた。お母さんにはお世話になった。幼馴染はバスの運転手になった。自分は両親と喧嘩して家を飛び出して上京した。今考えると、自分の弱さから逃げたかっただけなのかも知れない。
幼馴染は急逝した。大動脈破裂だった記憶。死に目には会えなかった。
お母さんは、自動車事故をおこして下半身が不自由になった。幼馴染の奥さんはそのまま家に残ったらしい。
しばらくして幼馴染の弟がお母さんのいる家にやってきて世話をする様になった。
幼馴染の奥さんと、弟が結婚してもよい流れだが、お母さんが頑なに反対したと言う。
弟の立場は宙ぶらりんになってしまった。
去年、その弟も急逝した。
呪われているんじゃないかと思っても口に決して出せなかった。
幼馴染の弟とも幼馴染と一緒によく遊んだ。用水路に入って行進したり、冬には家の畑の敷地内にかまくらを作って中に入ったりしていた。
結婚も出来ず、お母さんの世話をする人生は、誰のために時間を使い切ってしまったのだろうかと考えさせられる。
家のために、何処まで自分を犠牲に出来るのだろうか。小さな頃から、こんな家は俺の代で終わりだと言い続けて、実際にもうすぐ終わろうとしている。
家のために犠牲になりたく無いのと、母を家の呪縛から解放させてあげたかった。
家とは何か。
幼馴染のお母さんは、幼馴染、弟に先立たれ、事故で足は不自由になり、結局1番長く生きた。
この話を聴いた時、昔のある出来事を思い出した。
小学生低学年だったと思う。地域のお爺さんが行方不明になり山の中などを一日中大捜索した事があった。
翌日、自分の家に幼馴染と弟、もう1人が来て、行方不明のお爺さんが見つかって寝転がっているから見に行こうと言われた。(冷たくなっていたらしい。)
行かなかった。
虫の知らせでも走ったのだろうか。また次の日にとある家の小屋の裏側に寝転がっていた跡があった。あまり良い気分でなくしっくり来なかったのを覚えている。
見に行こうと言って見に行った3人は、1人は結婚後に奥さんと心中、幼馴染兄弟2人は急逝。
たまたまだけだと思うけど、あの時、自分も一緒に見に行っていたとしたらどうなっていただろうと、たまに母と話す事はある。
虫の知らせはあるのかも知れない。
幼馴染兄弟。お母さん。
心より御冥福をお祈り致します。
たぶん自分は憎まれっ子世にはばかるを地で生きているから、しぶといと信じてる。
【追伸】
幼馴染の家の話を、昨日、実家に行った時にまた母に聞いてみた。
少し自分の記憶違いで、早逝した幼馴染の奥さんと幼馴染の弟の再婚は奥さんの方が拒否したらしい。また何故亡くなった後に幼馴染の家を奥さんが出なかったかと聞いたら、長女で幼馴染の家に嫁ぎ、奥さんの実家は妹が婿養子をもらって継いだので帰れなくなった。2人の息子がいる事もあると。
奥さんと、幼馴染の弟は飼い殺し状態だったみたいだ。