ピアーズ・アルソップ&大河原愛 二人展「Reality 」 | この辺りの見所の者

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2024/2/17

慶應大学三田キャンパス東門の隣のビルの八階にある、ALPHA CONTEENPORARYへ。



にわか現代アートギャラリー廻りしている身として、大河原愛さんの名前は知ることになるには時間はかからなかった。いつか観に行きたいなという機会に今回は恵まれた。

二人展という事で、もう1人はイギリスのアーティスト、ピアーズ・アルソップ。今回が初めて日本での展覧会となる。

12時開場で1番乗り。エネルギッシュなギャラリストテンション高めに作品解説をしてくれる。他に来場者が来ない時間帯でもあり作品解説を聞きながら、こちらもいろいろ質問などした。


大河原愛さんの作品のイメージは右上の作品だった。左や右下の作品は余白と間を使った作品。ギャラリスト聞いたら最近の作品とのこと。特に右下の作品は作品の左上にある四角の点の位置を何処にするのかで時間がかかったとのこと。余白を意識した作品は難しいのだろうなと思いながら見る。何故なら余白がある事により絵の配置の難しさが増すと思うからだ。人物配置をどうするかによって作品のリズムが良くなるか悪くなるかが余白の間で明らかになりやすい。右下の作品を見て、点の位置にかなり苦慮したなと思った。


ギャラリストが、もう1人のアーティスト、ピアーズ・アルソップを猛烈にプッシュしていた。


イギリスでは既に高い評価されているアーティスト。父親やイギリスの高名な建築家のウィル・アルソップ。日本でいえば安藤忠雄的な存在らしい。今回は日本向けにキャンバスのサイズを小さめにした作品を展示。左下の作品は、意外と空間と間が琳派的に思えた。色彩感は濃厚で強い。右下の作風は、一見、花の作品だが人から見た花と蜂から見た花の視点の二面性のあるもの。



左が大河原愛さん。右がピアーズ・アルソップの作品。日本人とイギリス人の感覚性がはっきりと対象的に示されている。間の繊細さの内面の大河原愛さんと、西洋の宗教画や中世画から取り入れたメッセージ性の強さをハッキリ出しているピアーズ・アルソップ。絵の力の強さは西洋人の方がわかりやすい。肉食と草食くらいの違いを感じる。日本人が洋画を描く事の大変さを、この二人展を観て感じた。


ピアーズ・アルソップは、あと何年後かに日本でも著名な画家になる予感がした。