樋口実優さんの絵画を都内2ヶ所のギャラリーで見た。 | この辺りの見所の者

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うそっぽいお話  恵比寿ABG gallery

2024.2.15-19(現在2/21時点では終了。)

多鹿さな/樋口実優/ayanot



OR

GROUP EXHIBITION  HELLO GALLERY TOKYO

2024.2.9-24まで。

樋口実優/谷野真悟/ゆり




2/17.18日の上京で現代アートギャラリーを3軒廻った。そのうち2軒のギャラリーのグループ展には樋口実優さんの作品が展示されていた。


去年10/28日に渋谷での樋口実優さんの個展に初めて行った。その時のブログ↓


2/17日の18時前にORのグループ展へ。25日(土)まで開催中。新宿駅から徒歩15分以上かけてハローギャラリートーキョーへ。(京王新線初台駅から徒歩9分)初台駅からの方が遥かにアクセス良いです。帰りは初台駅から電車に乗ったので。



ORでは4点出展。 左上の作品はマティスの人物画をイメージさせる。樋口さんも在廊しており、作品について聞いてみた。ベッドに微睡む人の上に左右の背景の間にある結界に近い線で区切られる。左右の世界線の背景の色彩。右上は夜のジャングル。中央にある森の奥にあるものは、自分の主観的には眼にも見えたりした。他の作品は、余白も少なめだが意識していたとおっしゃっていた。


2/18日には恵比寿のABGギャラリーへ。


この日も樋口さんが在廊しており、作品について聞く事が出来た。2023年に藝大卒業した同期3人のグループ展。


過去の作品と最近の作品が展示。左上と左真ん中は最近始めた木炭画。木炭画でも、どこかアンニュイでファンタジーとリアルの間にあるようなな樋口さんの作風が漂っており、線と配置のバランスの空間がより際立つ。


個人的には真ん中下の赤の色彩の作品が好きかな。樋口さんの赤の作品の絵の強さと奥行きが好きなのかも知れない。対象の力強い空気を赤に変換して作品に落とし込んでいる。真ん中上の作品は、にょいと首が出てきたイメージでユーモラスさも感じる。赤の作品とは違う意味での絵力がある。色彩もシンプルな余白ながらも色彩自体の強さはそのままである。


樋口実優さんの絵に魅了される理由は何かと考えてみた。色彩の強さは勿論だけども、今の現代アートの作家というより、岸田劉生や佐伯祐三がいた時代の絵そのものの強さに近いものを感じたのかもしれない。コマーシャリズムに流されない品の良さがあるようにも思える。観る側の解釈も問われる事も勿論だけど、多面的に解釈しても良いように単一的なテーマではない両儀的な作品を意識していると樋口さんは仰っていた。


生きている絵が好きなのかも知れない。パターンにとどまらないで進んでいく樋口実優さんの作品は、これからも変遷していく事になるだろうが、絵の気の力という型はそのままでの進化となっていくのが、これからも楽しみである。



ちなみに作品の事を聞いていた時間帯は他に来場者がいなかった時です。ギャラリーストーカーでは無い事を断っておきます。


グループ展の他の作家の作品については別のブログで書く予定。