↑のつづき。
さて、
惠依彌二名神社を後にして
伊予国最後の神社へと向かう。
徒歩10数分。
『高忍日賣神社』へとやってきた。
神門。
境内の案内図を見る限り、
見所は盛りだくさん。
『笑う狛犬』
つられてワタシも微笑んだことは
言うまでもない。
拝殿。
式内社『高忍日賣(たかおしひめ)神社』
鎮座地 愛媛県伊予郡松前町徳丸
創建 不詳(好きな響き)
別名 高忍様 高押穂明神
主祭神
高忍日賣大神(たかおしひめのおおかみ)
配神
天忍日女命(あめのおしひめのみこと)
天忍人命(あめのおしひとのみこと)
天忍男命(あめのおしおのみこと)
全国で唯一、
産婆(助産師)・乳母の祖神である
高忍日賣大神を奉斎している。
やはり、ここにも逆さ狛犬。
伊予は「常世」。
冬晴れの空に躍動する。
負けじとワタシも躍動しよう。
ホームページによると、
高忍日賣神社には、
『古事記』『日本書紀』には記されていない、
特殊な神話がいくつか伝えられている。
それは、初代天皇『神武天皇』の父神
ウガヤフキアエズの出産秘話である。
~~~~~~~~~~~~~~~~
日子波限建鵜葺草葺不合命が
お生まれになる折のお話ですが、
日子穂穂手見命と豊玉毘売命とが
仲睦まじく船で海を渡られている際に、
妻神が急に産気づかれて
近くの海岸で産屋を建てて、
お産をされることになったのです。
そこで、
鵜茅(ウガヤ→茅ではなく産屋を指す
言葉だとする説もある)で産屋を葺いて
その中でお産をされるのですが、
海からたくさんの蟹がはい上がってきて
産屋まで入り大変な難産になりました。
豊玉毘売命が「高忍日賣大神」と
一心に唱えられると高忍日賣大神が顕現され、
天忍日女命と天忍人命と天忍男命を遣わされ、
天忍人命と天忍男命には箒を作って
蟹を掃き飛ばさせ、
天忍日女命には産屋に入って
産婆の役目をおさせになりました。
これにより
始めは難産だった豊玉姫も安産され、
産屋が葺きあがらないうちに
無事男のお子様をお産みになりました。
そこで、日子穂穂手見命は、
お子様を日子波限建鵜葺草葺不合命と
命名されました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
トヨタマヒメによる
ウガヤフキアエズの出産時の様子を
詳細に伝えているのは
この神社だけなのではなかろうか。
昨年はウガヤフキアエズ生誕地と云われる
鵜羽神社に参拝した↓
そういえば、
鵜羽神社にも逆さ狛犬がいた。
鵜羽神社の鎮座する屋島は、
昔は『八尋島』と呼ばれていた。
『八尋鰐』とは、
ウガヤフキアエズの母神
『トヨタマ姫』が出産するときの姿である。
また、
高忍日賣神社の伝承では、「豊玉毘売命が高忍日賣大神と
一心に唱えられた」
とあり、
トヨタマヒメのピンチに
助けを呼ぶほどの間柄であり、
トヨタマヒメに近しい高位の女神か、
または、
トヨタマヒメが信仰していた
女神である可能性がある。
ちなみに、伝承で
箒を作って蟹を掃き飛ばして
産屋を守った『天忍男命(アメノオシオ)』。
アメノオシオの
父神は『天村雲命(アメノムラクモ)』、
母神は『阿俾良依姫(アヒラヨリヒメ)』。
ちなみに、
高忍日賣神社の配神の三柱は
全員、天村雲命の御子神である。
延喜式内社で天村雲命を祀る神社は
全国でも阿波徳島のみ。
さらに、
阿俾良依姫(アヒラヨリヒメ)と
神名が酷似しており(姉妹❓️)、
神武天皇の一番目の妃である
阿比良比売(アヒラヒメ)の名を冠する神社も
阿波徳島にしか存在しない。
※参拝したので、後日記事になることでしょう
さらにさらに、
延喜式内社で
『トヨタマヒメ』の名を冠する神社は
全国でも阿波徳島に二社
『天石門別豊玉比賣神社』
『和多都美豊玉比賣神社』
だけなんですよ皆さん❗
昔、四国は伊予二名島と呼ばれ、
伊ノ国と予ノ国に分かれていた。
鵜羽神社の鎮座する香川県は、
讃岐国になるより以前は
伊ノ国つまり、『アワ国』だった。
ウガヤフキアエズの別名は、
『ウガヤフキアワセズ』です❗
トヨタマヒメのルーツは
個人的には沖縄だと思っているが、
天皇の系譜に直結する
古事記に登場するトヨタマヒメが
四国に居たことは、
延喜式神名帳に記載される
神社のリストが物語っている。
延喜式内社で、
神名を冠しており、
「坐」の字が入っていない神社の場合、
その神社の鎮座地付近には、
その祭神が住んでいた可能性が高い。
※「坐(います)」とは、
その勧請元があるということですね。
その向こうには、境内社
『素鵞神社(天王さま)』
祭神 建速須佐之男命
『玉箒社』。
前述したとおり、
高忍日賣神社の祭神は、
「箒(ホウキ)」で蟹を払ったことから
箒の神なのである。
蟹が月に関連することは言うまでもない。
ではここで、
全国でもここにしか祀られていない
謎の女神『高忍日賣大神(タカオシヒメ)』が
どのような系譜を辿った神なのかを
考えてみたい。
タカオシヒメの別名は『高押穂明神』。
あるいは『高忍穂(タカオシホ)』。
似た神名がいることに気づく。
それが、
『天忍穂耳尊(オシホミミ)』である。
古事記では、
オシホミミは
アマテラスとスサノオの誓約によって
生まれた五皇子の長男。
后は、
高皇産霊神の娘である栲幡千千姫命。
オシホミミと栲幡千千姫命の子には
『瓊瓊杵尊(ニニギ)』。
しかし、正統竹内文書の伝承者である
竹内睦秦氏の著書には、
異なる系図が書いてあった↓
オシホミミは、
アマテラスの子ではなく、配偶神。
つまり、
機織りの女神『栲幡千千姫命』こそが
その時代のアマテラスだというのである。
そして、
オシホミミとアマテラスの子が
天穂日命(アメノホヒ)
天津彦根命=天津彦彦火瓊瓊杵尊
活津彦根命=日子穂穂手見命(トヨタマの夫)
熊野櫲樟日命=鸕鶿草葺不合尊(タマヨリの夫)
という四兄弟になってしまうのだそうな。
つまり、
ニニギ、
ヒコホホデミ(山幸彦)、
ウガヤフキアエズの日向三代は、
縦の繋がり(祖父、父、子)ではなく、
横の繋がり(兄弟)の関係だった。
その父神がオシホミミ。
高忍日賣(タカオシホヒメ)が
天忍穂耳尊(オシホミミ)と
近縁関係にあったのだとしたら、
トヨタマ姫が高忍日賣の存在を頼り、
高忍日賣がソレを助けるのは
当然のことだとは言えないだろうか。
そして、
オシホミミの后である
栲幡千千姫命の父神が
高皇産霊神(タカミムスビ)だということも、
高忍日賣大神の正体のヒントに
なりえるのだろうか。。
この後の仕事を放棄(ホウキ)したい(笑)
そのあと、
松山市に戻り、
順調に仕事を終え、
高速バスに飛び乗った。
四国はバス移動が便利なのだ。
夕方、ついに到着したのは
土佐高知県❗
つづくぜよ。
ではまた❗
人気ブログランキング