さて、全国には『天岩戸伝説』や、そのゆかりの地が数多く存在する。


『天岩戸伝説』とは、日本神話において太陽神『天照大御神』が弟『スサノオ』の数々のヤンチャに対し怒ってしまい、岩戸に引きこもり、そのせいで世界は闇に包まれてしまう…というお話。


天の岩戸隠れにまつわる各地の神社や洞窟。


どれが本物か、という議論は成り立たないのかもしれない。


そもそも、天岩戸がたった一つだという確証は無いし、類似する伝承は日本のみならず、インドネシアなどアジア諸国にも残っている。


つまり、日本で起こった事かどうかも不明。



そんな中、実は日本国内の最南端にある『天岩戸伝説』は『沖縄』にあるのだ。





『伊平屋島』。


数千年前にはすでに人が住んでいたとされる歴史ある島。


伊平屋島にある『クマヤ洞窟』こそが、最南端の天岩戸伝説の地である。


「クマヤ」とは、方言で「篭る(こもる)」という意味である。

その名の通り、『天照大御神』が篭った場所なのだろうか。


伊平屋全域は、伊平屋・伊是名を含む7島あり、『伊平屋の七離れ』と呼ばれていた。




面白いのが、7島のひとつ『降神(うるがみ)島』の伝承だ。


この島の名は、天地開闢に際して、神々が最初に降り立った場所であることに由来するのだとか。


~~[降神島の伝承]~~


大昔、『降神島』に天から神様が降り立った。

そして、神様は伊是名にある『アラハ御嶽(うたき)』に行った。


それまで暗かった世の中は明るくなったという。


しかし、しばらくして伊平屋の『クマヤ洞窟』に篭ってしまい、再び世の中は暗くなってしまった。


他の神々は、暗くなった世の中を明るくする為に相談し、選ばれた7人の神達が説得をしに行き、やっと神様は洞窟から出てきて、世の中は今のように明るくなったのだそうな。


~~おわり~~





…もうおわかりだと思うが、まさに『天の岩戸伝説』そのままである。


そして気になるキーワードは『アラハ御嶽』と『7人の神様』だろう。


『アラハ御嶽』は久高島の『アカララキ』のように、縄文の神『アラハバキ』との関連性を感じる。

 



そして『7人の神様』である。


神話通りなら、『アメノウズメ』達と考えられるが、『七』の数字には様々なメッセージが隠されている気がしてならない。


『伊平屋の七離れ』のことなのか、

はたまた、『神世七代』、『七福神』…


「降る」を「ウル」と読むところがまた怪しい。


シュメール語では「ウル」とは「牛」という意味である。

 




『伊平屋島』の『クマヤ洞窟』に話を戻そう。


『伊平屋島』は以前は『てるしの島』と呼ばれていた。


「てるしの」とは、古語で「太陽神」を意味するという。

照神(てるしん)が訛った…とかだろうか。



実はこの洞窟は、『天照大御神』が篭った場所というだけではない。


なんと、初代天皇である『神武天皇』が生まれた場所だという伝説まであるのだ。



理論上はありえるかもしれない。


日本では現在でも、出産時は母親の地元で産む場合がある。

やはり、なにかとご家族のサポートを受けやすいからということもあろう。


神武天皇である「かむやまといわれびこ」。


その母親である『玉依姫』は竜神の神格を持ち、琉球の『伊平屋島』出身だという説があるのだ。


ちなみに、『クマヤ洞窟』は『龍穴』とも言われている。



また、神武天皇の父親である『ウガヤフキアエズ』の母親、つまり神武の祖母は『豊玉姫』であり、その正体は『竜宮(琉球)』からやって来た『乙姫』である。❗

 




そしてなんと、あまり知られていないことだが、伊平屋島よりさらに南、沖縄本島『沖縄市』にも『天岩戸』があるのです❗



つづく。


ではまた❗




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