日本の太陽神『天照大御神』が最高神とされたのは、明治時代のことであるらしい。

 


↑でも書いたが、『天照大御神』は女神であるとされているが、男神説もある。
「天照」という呼び名がそもそも襲名制であるとも言われているが、もともとは『アマテル』という男神が、恐らく「天の岩戸隠れ」によって封印され、後に入れ替わって出てきたのが、現在の『天照大御神』なのかもしれない。

初代『アマテル』とは、『ニギハヤヒ』のことである。

また、『素戔嗚尊(スサノオノミコト)』は、『スサの王』であったという説がある。
「スサ」とは現在のイラン西南部に位置し、かつては王都として栄えていた。

つまり、元をたどれば古代メソポタミアや『シュメール文明』がルーツである。

そう考えると、日本神話の『三貴神』という定義が、完全に後付けで生まれたものとなってしまう。


そして、もっとも謎に満ちている『月読命(ツクヨミノミコト)』。

アマテラスの弟でスサノオの兄。

ツクヨミは三貴神の1柱として有名ではあるが、他の二柱と比較すると、『記紀』の神話上では出番が少ない神だ。

古事記では、イザナギが黄泉の国から帰り、禊ぎをした後に右目から生まれた。
ちなみに、先に左目から生まれたのがアマテラスである。

※なぜ左がアマテラスで右がツクヨミなのかは↓をご参照ください。


日本書紀では、イザナギとイザナミから生まれたとされる。

また、ツクヨミはアマテラスの命により、『保食神(ウケモチ)』に会いに行くが、饗応として口から米を出したのを見るなり、「汚らわしい」として『ウケモチ』を切り殺してしまう…

ここだ。


饗応(きょうおう)とは、酒や食事を出してもてなすことだが、ウケモチは、余興としてやったのだろうか。
ウケモチは五穀豊穣の女神である。
余興とは言え、「口から米を出す」という悪ふざけなどするのかと言われると、疑問が残る。

「口噛み酒」を神事としておこなっていたとは考えられないだろうか。

この「ウケモチが切り殺される」場面には強烈な違和感を感じる。

『ウケモチ』の「ウケ」は、「ウカ」と同様、つまり稲荷神『ウカノミタマ』と同一神である。
 


さらに『豊受大神(トヨウケ)』にも「ウケ」がつき、同一視されている。

『トヨウケ』も食物や穀物の女神とされ、その特徴は『ウケモチ』や『ウカノミタマ』とそっくりだ。

と、いうことは…
 

『ウケモチ』は竜神であったのだ。

初代太陽神であり竜神『ニギハヤヒ』と同様に、消されてしまった、あるいは封印されてしまったのだ。

となると、ニギハヤヒと対になる『瀬織津姫』こそが、『ツクヨミ』に消された『ウケモチ』の事なのではないだろうか。

さらに、『ウケモチ』の別名は『オオゲツヒメ』という。
「オオゲツヒメ」つまり、『大月姫』。


古代日本において、月の神とは『月の女神』であった。

その神は、後に渡来した『ツクヨミ』という人物によって、消されてしまったのだろうか。

ギリシャ神話では、月の女神と言えば『アルテミス』。
アルテミスは太陽神『アポロン』と双子だ。

日本の太陽神は『アマテラス』。
不思議な繋がりを感じる。



『ツクヨミ』は二人いた。



最初の月の神は女神。

後から入れ替わった月の神こそが、『月読命』。

「月読」は「月弓」とも書かれている場合がある。


つまり、『弓月国』から渡来した者こそが、『ツクヨミノミコト』なのではなかろうか。


↓につづく。
 



ではまた❗