エイズ・ウイルスが消えた。 | 松野哲也の「がんは誰が治すのか」

松野哲也の「がんは誰が治すのか」

治癒のしくみと 脳の働き

 ニロ・アシステントという女性のヨガの先生はAIDSに罹り、マンハッタンの北に位置する、東へと延びる小さな半島ロングアイランドで別荘番として余生を過ごしていました。(私のS字結腸ガンの前兆がでたのもこの半島の先端のモントークというところです)。
 彼女のボーイフレンドは母国・デンマークに戻り、同病ですでに死亡しています。


 私はガンやウイルス感染の消失した例を数多くみてきましたが、無意識の方向づけがキーポイントのように思われます。しかし、このようなことに関して心情を明瞭かつ適切に表現した例を殆ど全く知りません。

 ところが、以下の詳細でリアルな記述に接して心底納得がいきました。Niro Asistent ”Why I Survive AIDS”という彼女の本の一部を抜粋します。以下は私が英文から訳したものです。



 「海岸には雪が積もり、まるで別世界のようでした。このような光景は決して初めてのものではなかったのですが、この日、陽の光はいつもとは違ったように感じられ、空はいつになく限りなく透明感のある深い青さを増していました。
 海から聞こえてくる音は力強くもまたやさしくもあり、まるで愛の言葉をささやかれているようです。

 カモメの群れがいる以外は自分ひとりでしたが、いいようのない優しい気持ちに満たされたのです。感謝の念がわきおこり、涙は砂の上に落ちました。
 そして、次第に歩みを進めていくにつれ、無数の波が果てしない大海に融合するように、私自身も無限そのものに同化していったのです。・・・・・

 新雪の中にブーツを踏み入れ、引き上げる感触に集中しながら歩を進めていくと、呼吸するとか、足や骨やくるぶしが自然に動くことが、奇跡そのもののように思えたのでした。
 一歩一歩がまったく初めてのものであると同時に最後のものでもある。・・・・
 自然のリズムと一体化すると、身体をもつ自分が外界と隔てられているという感覚は失せ、巨大な空間と一つになるのを感じました。至福を超え、存在そのものの根源に触れたのです。

 私の存在は、雪、海、空、鳥に溶け込みました。太陽の熱、冷たい風、波のうねりが私でした。
 呼吸はゆったりとし、そのうちほとんど停止してしまったような気がしました。
 残っているのは、すべてが果てしないひとつであるという感覚だけだったのです。」

          
 彼女はこの体験の後、エイズウイルスが消えたと直感します。そして事実そのとおりのことがおこったのでした。



 ヴィパッサナー瞑想のように一挙手一投足に注意を集中し、今に生き、存在の歓び、感謝、離人体験を伴った至福、宇宙との融合。いってみれば右脳・前頭前野を介して宇宙の根源(ゼロ・フィールド)システムにつながり、それが<運>の変化(この場合は抗ウイルス免疫態勢の活性化)としてフィードバックしたと考えられるのです。
 ガンの場合も基本的には同じことが言えるかと思います。これについてはこれから何度も触れるつもりです。