「李下に冠を正さず」 | 人事労務日記~所長のつぶやき~

人事労務日記~所長のつぶやき~

人事労務コンサルティング事務所を経営する所長が日々の業務について思うことを綴ってます。

平成20年11月17日


 銀杏並木は、スッカリ黄色く色づいています。

もう直ぐ、木々から葉が落ち、銀杏の葉が地面を覆い

尽くすことでしょう。


「李下に冠を正さず」。高校の漢文の時間に学んだ一節です。

「李の木の下で傾いた冠を正そうとすると、他人の目には李を

もごうとしているように見えるから、誤解を受けないようにした方がいい」

という意味です。

自分の身の処し方は自分が納得しておけばいいというのではなく、

少なくとも人の目にも明らかでなければ、要らぬ疑いを招くことになると

いう処世訓です。

この処世訓に対し、「自分さえきちんとしていればいいのであって、

誤解する方が悪い」という考え方もあります。

世の中に媚びへつらうこともないので、この考え方にも同感を

禁じえません。

然し、世の中をスムーズに渡っていこうという観点からは、誤解を

招きかねないことはできるなら止める方が賢明です。


人の目の怖さを想定しておかなければ,人付き合いに支障が生じます。

最近、マスコミなどは一方にへだたった報道(特に弱者救済等の立場

からの論調、つまり企業へ厳しい論調)が目立ちます。

そんななかでは、特に誤解を招くような議論、行動は回避して置いた方が、

賢明との考え方が優勢となります。


でも、それでは、「強い者には巻かれろ」との風潮がはびこり、世の中の

進歩を止めてしまうのも事実だとも思っています。