人生には三つの坂がある。

「上り坂」「下り坂」「まさか」だ。

 

 

これは、一時期よく使われていた

結婚式スピーチの常套句だが、

 

今回はその「まさか」という言葉を、

はるばる訪れた小田原でリアルに口にした日の話。

 

 

 

 

 

 

遡ること一ヶ月前。

私は家族総出で、石川県に居た。

 

かねてから金沢に行きたいと夢見ていたのだが、

それが叶ったのだ。

 

 

 

私は旅先で、

必ず神社仏閣系も押さえるのだが、

 

この時も例に漏れず、

金沢への道すがらにある神社、

日本三大金運神社と称される

「金劔宮」へと参った。

 

 

金劔宮は、以前、

どなたかのブログでビジュアルを拝見して以来

気になっていた場所。

 

本殿がガラス張りで囲まれているお姿が、

印象に残っていたのだ。

 

 

それがたまたま、

私の目的地のすぐ側に鎮座していらっしゃったので、

もはやこれは行かない理由が見つからないと、

朝一番で向かった。

 

 

 

無事、清々しい参拝を済ませ、

夫が敷地内にある『天の真名井』の中でイモリを見つけたので、

娘と一緒に「かわいいね〜」と眺めていると、

 


明らかにお金を持っていそうな

ギラッギラのオジサマ2人が近づいて来るではないか。

 

 

 

ギ「何か居るんですか?」

 

私「イモリがいるんですよ〜、ほら、そこに」

 

ギ「ほー、ほんとだ!珍しい」

 

 

 

するとなぜか、

そのオジサマがかなり個人的なお話をし始める。

 

 


※ここからは会話をほぼ再現

 

ギ「ここはほんとにご利益があるよ」

 

私「そうなんですね」

 

ギ「2年前、病気だったのが治ったからね」

 

私「病気ですか!」

 

ギ「そう。貧乏病。」

 

私「な、なんと、、!」

 

ギ「ここへ来てから、2年で年収がいくらになったと思う?」

 

私「うーん、2億くらいですか。」

 

ギ「そんなには無いわ!2000万」

 

私「おお!2000万!凄いご利益ですね!」

 

ギ「ここと、もう一ヶ所、山梨の池に行くと良いよ、富士山のふもとの、八個池がある所・・・

 

 

そう言いながらおもむろに、

自身のスマホを開いて写真を見せてくれるオジサマ。

 

 

「ここの、えーと名前なんだったかな、

まぁ山梨、富士山、八個の池とかで検索すれば出でくるよ。

ほら、こんな感じの綺麗な池が8個あって

すごいパワーがある所だからさ〜」

 

 

 

いやまさか、

初対面のオジサマの年収とプチ旅行の思い出写真を、

旅先の神社で拝聴&拝見するとは、

想像だにしない展開。

 

 

石川県で出会ったから、

山梨をお薦めしてくれたのかもしれないが、

広島からはるばる行っていた私は、

 

『とはいえ、ちょっと山梨は遠いからなかなか行けないだろうな』

と、思いながら聞いていた。

 

 

 

 

 

ところが。

 

 

10月第1週目の週末に、

東京へと行く用事があり、

 

「せっかく東京行くんだから一泊して来たら?」

と、夫も言ってくれたので、

 どこへ行こうかと模索している時、

 

ふと、そのオジサマのことを思い出したのだ。

 

 

 

「あれ?

山梨って、東京のついでに寄れるんじゃ?」

※個人の感覚です

 

 

彼の言った通り、

「富士山、八個の池」で検索をかけてみると、

「忍野八海」という場所がヒット。

 

地図を見る限り、

少し足を伸ばせば行ける距離感。

※個人の感覚です

 

 

 

何を隠そう、

私はかつて初対面のオジサマに人生を変えてもらった経験があるので、

オジサマ信仰(?)は強い方。

 

 

 

わずか1ヶ月で、

行けないだろうと思っていた場所に行けるチャンスが訪れたのに、

行かない理由などどこにも無い。

 

行きたかった場所で次の目的地を示されたのに、

行かない理由も無い。

 

 

半ば必然的に、

行き先を、忍野八海へとシフトした。

 

 

 

 

目的地をそこに決めた理由は、

もう1つあった。

 

その、忍野八海のすぐ近くに、

金劒宮と並んで日本三大金運神社と称される、

「新屋山神社」なる場所があったのだ。

 

 

せっかくなので、

三大繋がりのそちらも併せて訪れたいと、

検索を重ねる。

 

 

 

 

すると、新屋山神社は、

特に「奥宮」を参ると良いと書いてあるのだが、

どうやら車でしか行けないような場所とのこと。

 

その他様々な事情を考慮して、

小田原でレンタカーを借りることに決定し、

ネットでポチリ。

 

雨降る早朝の広島を旅立った。

 

 

 

 

 

 

ところが、である。

 

 

たどり着いた小田原駅北口にある某レンタカー屋で、

 

「予約した者です〜」

と免許証を提出したところ、

 

「あのー、免許更新ってされてないですよね?」

と、店員さん。

 

 

「あぁ、そういえば更新しろってハガキ来てたから行かなきゃとは思ってたところで・・・

 

「これ、もう、切れてますよ?」

 

 

 

 

 

 

「・・・え?

ま、まさか・・・・・・


※「まさか」ここで登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだしまった更新忘れとったーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

そう。

私の誕生日は9月4日。

この日の日付は、10月5日。

 

なんと、ぎりぎり1日、

更新期限をはみ出していたのだ。

 

 

 

 

私「えっと、これって、借りられないってことですよね?」

 

店員さん「そうですね、無免許になるので」

 

私「そうすると当日なのでキャンセル料とか・・・」

 

店員さん「や、もうそれは、状況が状況なので、いいですよ」

 

私「神ーー!あ、いや、ほんと、すみませんでした・・」

 

 

 

想像の域を超えた失態。

「まさか」の守備範囲もはみ出気味である。


 

そうして、

予約したのに借りられず業務妨害ですみませんという思いとともに、

旅の計画は白紙へと戻った。

 

 

 

レンタカーを借りる際に住所までばっちり記載していたので、

しばらくあの店舗内も、

「あの人広島からはるばるきたのにレンタカー借りれなくて可哀想」

と、話題沸騰だったであろう。

 

お金の代わりに話題を提供し、お店を後にした。

 

 

 

 

 

それにしてもどうしよう。

ひたすらスマホで再検索を始める。

 

 

「小田原→忍野八海」で調べると、

どうやっても東京まで行ってからバスに乗れと言う指示が出て来て、

しかも時間は4時間近くかかると出る。

 

 

遠!そんなことある??

てか、現代において目的地に行けないとかある?

 

 

 

かくしきれない動揺を胸に、

半ば諦めムードへと突入した私は、

妥協案を採択する。

 

 

「そうだ、箱根に行こう。

近いし確実にすぐ行けて観光楽しめる箱根へ。」

 

 

箱根はすぐそこ。

遠くの親戚より近くの他人だ。(解釈違い)

近くにある確実に行ける場所にしよう。

 

箱根へと旅立つ為の紙切れを購入し、

いざ、改札へ。

 

 

 

 

「箱根も寄ろうと思ってたし。

行きたいとこあったし。

美術館あって楽しそうだったし。」

 

そんないいわけを唱えながらホームに着くと、

箱根行きの電車が目の前で発車。

 

すこしばかり待つことになったので、

チラリとホームの向かい側を見ると、

 

行き先に「御殿場」の文字が見えた。

 

 

 

 

「・・・あれ?御殿場って、

忍野八海の最寄り駅じゃなかったっけ?」

 

 

 

御殿場は、当初レンタカーを借りる

候補に挙がっていた場所だったので、

何度もその字を見ていたのだ。

 

 

 

 

もしかして、

これに乗ったら忍野八海に行けるのでは?

 

希望が差し込んだ瞬間、

あのギラッギラのオジサマの顔が甦る。

 


 

 

 

そうだった、私、

忍野八海に行く為に山梨来たんだった!!

 

 

 

 

今日行かなかったら、

もう一生行かない可能性だってある。

 

 

 

だとしたら・・・今でしょ!!

 

私の心の中の林修氏も、

肩をたたきそう頷く。

 

 

 

このご時世、スマホも持っているのに、

目的地に辿り着けないわけがない。

ネットで出てこなくたって、絶対に道はあるはず!

 

 

そうして私は、

箱根行きのチケットを手に、

反対方面である御殿場方面の列車に飛び込んだのだ。

 

 

 

 

 

移動時間を利用して、

必死の検索を続ける。

 

すると、

御殿場まで行けば、

忍野八海を経由するバスが出ていることが判明。

 

 

 

「やっぱり行けるじゃん!」

 

 

ただ単に、

最初の段階での調べ不足なだけではあったが、

喧嘩して家出していた妻が帰って来た夫の気分で、

目的地との再会にプチ興奮。


 

そしてなんと、

出口で切符の乗り越し清算しようとすると、

金額ピッタリで追加金いらずで外へ出られるではないか。

 

 

 

あぁ、なんだ、

全て予定通りだったのか。

 

神の采配に妙に納得しながら、

電車とバスを乗り継いだ。

(全部ただのうっかりだろ、なんて声は聞こえない)

 

 

 

 

まぁ、そんなわけで、

無事忍野八海に到着。

 

 

二つ目の目的地の新屋山神社は、

奥宮へこそ辿り着けなかったが、

 

本宮へは迷うこと無く辿り着けて、

最高の冒険を満喫し、東京へと駒を進めた。

 

 

忍野八海 出口池

忍野八海 底なし池

出口池のそばでしゃがんだら

五つ葉2個、四つ葉7個見つけて驚き!

新屋山神社

 

 

 

後日談だが、

 

通常は免許更新を忘れてしまうと

ゴールド免許剥奪で最初から始めなければならないらしいのだが、

 

広島豪雨災害の配慮があり、

現在は一時的に更新期限切れを免除してくださっていて、

 

なんと無事、ゴールド免許を手にできたのだ。

 

 

 

この日レンタカーを借りようとしなければ

うっかり無免許運転していた可能性も高かった上に、

 

公共交通機関を利用したおかげで、

忍野八海界隈からバスでストレートに東京まで行けた。

 

もはや全てが有り難い出来事として、

思い出に変わった。

 

 


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最近、
DA PUMPの動画を見ては、
ISSAの歌と踊りに目頭を熱くしている野田です。


夫にその旨をご報告したら、

「ああ、アメリカのやつね」
と、一言。






U・S・A!!!!
(厳密に言えば合ってる)









さて、本題へ。



母乳育児の行く末には、
必ず待ち受ける儀式がある。


断乳だ。


命あるものが
いつか必ず大地へ還るように、
母乳育児もいつか必ず終わる。


わが家に、その「いつか」が、
今週訪れた、という話。






とりわけ最近では、

「もう母乳無しで過ごそう」
と、親が決めて、
乳と子を隔離する動きを
『断乳』

子が自ら源泉(乳)を旅立つ日を待つ活動を、
『卒乳』と呼ぶらしい。


我が家のそれは、
断乳と呼ばれる手法で執り行われた。





ちなみに言っておくと、
私はこれで2回目の断乳になる。


1人目の時は、
お腹に2人目がいる状況での授乳に限界を感じて、
娘が1歳7ヶ月の時に決行。

2人目の今回も、なんの偶然か、
息子1歳7ヶ月に決行することとなった。






理由としては、

乳を差し上げながら眠りを待つ時、
ちょいちょい幹部に歯が当たり、

「いったぁーー!!」

と、野太い声をあげることが増えたことと、


週末に東京界隈へ一泊しに行くという
もはや何年振りかすら思い出せない
愉快な一人旅イベントがあり、

乳なしで朝まで寝られる環境がある方が
健全だと判断したため、である。




私がいない時は、
何食わぬ顔で過ごしている彼なので、
日中の心配はしていないが、

寝かしつけはほぼ100%私担当。


そこで、これを機に第三者の介入を、と、
『夜間断乳』を決行することにしたのだ。




ちなみに夜間断乳とは、
その名の通り、
夜間だけ断乳するハーフプラン。
(昼間断乳もある)


これに成功すると、
夜にお酒が飲めたり、ぐっすり眠ってくれたり、薬が飲めたり、お酒が飲めたり(2回目)、
という、
日帰り温泉旅行くらいの効果(?)が見込める。



こう書くと、基本良いことしかないのでさっさとやれば良かったのだが、
互いに習慣化したものを打ち崩す行為を、
理由もなく決行するには踏ん切りがつかず。


そしてとうとう、関東旅行を機に、
心の中の林修氏が、
「今でしょ」と、呟いたのだ。






緊張の一夜目。

こう言うと、
あたかも計画的に実行したかのようだが、
いつものように局部に歯が当たり、
痛さに嫌気がさして、
「今からやめよう」とゲリラ的に決行したもの。

擦り切れて細くなっていた糸が、
突然の顔をして切れたのだ。


結果、彼は、
人生の中で1番泣いたのではないか、
というくらい、粘り泣きをした。
 



いやもともと、
ほとんど粘り泣きをしないからこそ、
史上最泣きだっただけではあるが、

あまりにもこちらの都合で急に断乳し始めて
申し訳なかったなと反省。


そこで2日目は、
朝から懇々と言い聞かせることから始めた。





「今のうちにたくさん飲んでね〜
  お布団の部屋行ったらナイナイだからね〜」

と、
反抗期なら間違いなく
「しつけーんだよばばぁ!」
と言われるレベルで、
非常にしつこく語りかける。


言ってる自分すら
『いちいちしつこいな』と自覚するほど、
粘着質に迫る。






するとどうしたことか、
予想を上回る効果が出た。


昼間は「乳を出せ」と要求してきた息子が、
夕方以降、一切要求しないのだ。




いやまさか、
そんなに正確に意味が伝わっているとは、
にはかには信じ難い。


半信半疑で、
欲しがらない彼を、
抱っこ紐で寝かしつけ、
2日目のスタートがあっけなく終わった。


夜間も、
何度か目を覚まして声をあげるものの、
乳を欲しがることはなく、

抱いたり、お背中とんとんしたり
流れに身を任せていると、
割りとすぐに眠りについた。


1日目の劇泣が嘘だったかのように、
彼の夜間断乳は終了したのだ。





3日目も、
朝から懇々と

「夜はおっぱいないから
今のうちに吸っとくのよ〜」

と、お伝え申し上げていると、


今度はなんと、
16:00ごろ、私の膝の上に乗りあげ、

胸に向かって
「ばっば〜(ばいばーい)」
と、
にこやかに手を振りだすではないか。







もうこれ絶対意味わかっとるじゃん!!!
しかもかなり正確に!!!!
天才!?(親バカ)






想像を超えた息子の理解力に
こちらが驚嘆。

もはや、
子離れ出来ていない私のために吸ってくれていたのかとすら思えてくる。


いつだって彼らは、
私の想像を超えているのだ。







もうすぐ、
昼間に授乳することもなくなるのかもしれない。


授乳している時の、
ほっぺがモグモグしてるかわいい横顔を拝めなくなると思うと本当に寂しいが、


夜、彼の小さい背中を抱きながら寝かしつけていると、
『方法』は変わっていくけれど、
変わらない愛しさがそこにあると思った。





いつまで一緒に寝られるのか。



彼らが旅立った後の人生も楽しみすぎるけれど、
明らかに過ぎていく今の時間は、
きっと生涯、
忘れられないほど幸せな時。


死ぬ瞬間に、
もう一度見たいと思える『今』に、
出逢えてよかった。






そんなわけで、
例に漏れず雨が降る中、
今日から無事、関東方面へ旅立った。


1人旅とか久しぶりすぎて、
無駄にJRを一本乗り過ごして焦ったけれど、
どうにか間に合い新幹線へ。

行ってまいります。






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今年の3月。

 

 
USJへ行こうと目論んだ際、
稀に見る暴風雨に見舞われ断念したのだが、
 
その翌月に設けた予備日にも、
稀に見る暴風雨が当たった時、
 
ある疑惑を抱き始めた。
 
 
 

 
思い起こせば、
 
ハネムーンで行ったグアムでは、
近海で台風が発生。
 
発生から数時間で上陸し、
中1日をホテルに捧げた。
 
 

 
結婚式も雨だったし、

6月末に新商品の写真撮影をした時は
歴史的豪雨に見舞われた。




7月末に夫の実家に帰省する際なんて、

台風が大変珍しい軌道で進み、
我々の道中を時間もジャストミートで逆走しながら直撃したので、順延。


翌週に再設定した予備日は予備日で、
行きの車内でワイパーMAX。
(雨マークどこにも無かったのに)


先週末に金沢へ旅行に行った際も、
行きの高速はワイパーMAXと、

こと旅行などのワクワクイベントとなると、
本当に外さないのだ。




「は〜じ〜まりは〜いつ〜も雨〜」
と某歌手が歌っていたが、
2018年においてこの歌が頭をよぎった回数は、
日本屈指ではないかと自負している。




まぁまぁ、
豪雨なのは車移動中だけなので、
本当に大変なのは
激しく左右するワイパーなのだが、
 

鳥取へ二泊三日の旅行に行った時は、
豪雨の音でナビが聞こえず
高速道路のジャンクションをし損ねたので、

我々にも無関係とは言い難いのである。
 
 
 
 
 
 
 
これはなにも、
『私の移動に合わせて雨雲が動く』
などといった、
神的チカラをほのめかしたいわけでは無い。
 
 
何かをする時、
どこかへ行く時、
何かをスタートさせた時、
 
やたらと雨にバッティングする。
 
 
それはまるで、
毎朝違う時間に家を出るのに
凄い確率でエレベータートゥギャザーする
ご近所さん。
 
 
 

雨雲と同じタイミングで
絶妙に行動を起こす人々を、
雨女、雨男と称すのだとしたら、
 
わたしは恐らく、
そうなのだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
そんなわけで、
今年の誕生日は某大型台風が直撃した。
 
 
幸いにも朝方に雨が降った程度で
被害にこそ遭わなかったが、
 
警報は出ていたので
娘の幼稚園は休園。
 
 
こども2人と家に閉じこもって過ごす、
なんともインドアな誕生日となった。
 
 
 
 
 
 
お昼ごはんを食べながら三歳半の娘に、
 
「お母さん今日誕生日なんだ〜」
と伝えると、
 
「え、じゃぁ、おうた歌ってあげるね!」
と、
ハッピーバースデーのうたを歌い始めた。
 
 
 
 
 
思いもよらず受け取った、
娘から私へ、
初めての誕生日プレゼント。
 
台風が来なければ、
無かったはずの時間。
   

あぁ、これは、
神様からの贈り物なのだ、
と、思った。
 
 
 
 



 完璧なタイミングで訪れる
全てとともに、

人と人は、
最後の時を過ごしている。


 

雨が降るタイミングでさえ、
わたしたちを形取っているように。
 
 
 



 
 


 

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私の文章の原点は、

さくらももこさんである。

 

大叔母の家にあった

「もものかんづめ」を読んで、

初めて、声を出して笑い、

 

漫画以外で、

こんなに面白いものがあるのか、と、

 

感動した。

 

 

その、感動した記憶が

未だ残っているのだから、

本当の本当に、感動したのだと思う。

 

 

 

 

 

読んだ瞬間に爆笑して、

 

あまりにも面白かったので、

学校で友人に話して、

余韻でももう一度爆笑。

 

 

思い出しても面白いのだから、

本当に凄い。

 

 

今もこれからも、

私の憧れだ。

 

 

 

 

 

 

本を書くと決めたときも、

さくらももこさんの本を

何度も読み返した。

 

 

何が面白いのだろう、

どうやって書いているのだろう、

と、

文字のひとつひとつを辿った。

 

 

 

 

 

もう、

それらが新しく紡がれることはないけれど、

 

 

彼女が世界に残した言葉は、

これからも消えない。

 

これから先も、

新しく生まれて来る人にも、

受け継がれて行く。

 

 

 

 

 

言葉で人生を記すということは、

 

出会ったことも、

すれ違ったことも無い人の人生と、

 

思いもよらない場所で

交差するかもしれないということ。

 

 

なんてドラマティック。

 

 

 

 

力強く生きた人は、

命を全うしても尚、

 

生きているものに影響を与え、

そのエネルギーを紡ぎ続ける。

 

 

きっとそれは、

永遠に。

 

 

 

 

 

ご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

 

 

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私が通っていた中学校は、

当時、なかなかに荒んでいた。

 

 

尾崎豊の歌ではないけれど、

 

入学したてのころは

部室の窓はほとんど無かったし、

 

校門の前に数人集っただけで、

生意気だと言われてしまう。

 

 

 

スカートが短ければ呼び出され、

ソックスをルーズに履けば呼び出され、

合唱祭ではしゃいで呼び出され、

 

 

とにかく地味を貫かなくては、

いやむしろ、

自分の「地味」の概念では、

 

上級生全員の地雷をよけて歩くことなど

不可能であった。

 

 

 






 

 

そんな状態なので、

言うまでもなく治安も悪い。

 

 

部活に出ている最中に

お金を盗られたり

たまごっちが盗まれたりは

(そもそも持って行く方も悪いが)

日常茶飯事。


 

 

 

私はそれを警戒して、

カバンに南京錠をかけていたのだが、

 

ある日、部活から帰ると、

そっくりそのまま無くなっていたのだ。

 

 

 

 

 

友人数人とそこら中を探しまわり、

そうしてようやく、

学校の裏山に投げ捨てられている、

其れを見つけた。


 

鍵はそのままで、

開かないことに腹が立ったのか、


チャックに沿って大胆に切り裂かれた姿で、

山肌に横たわっていた。

 



 

 


なかなかショッキングな出来事ではあったが、


カバンを買ってくれた両親に

「申し訳ない」という気持ちが一番で、


このこと自体に、

さほど傷つけられたわけではなかった。

 

 




なぜならこれは、

私個人に向けられた悪意ではなく、


皆が晒されていた脅威の餌食にたまたま当たった、

通り魔的な犯行。




鍵を付けるといういらぬ抵抗さえしていなければ、

ただお金が無くなるだけで済んでいたはずなのだ。

(それでも立派な犯罪だが)

 



 

 

 





気がかりはあった。


カバンのサブポケットに入れていた、

描きかけの漫画だ。


 


 

当時漫画家になりたかった私は、

結構真面目に、

ほとんど毎日漫画を描いていた。


 

家族に見つからないようにと忍ばせていたものが、


カバンの中はもちろん、

一緒に捨てられた品々の中にも、

無かったのだ。

 

 

 

 

当時の私にとってそれは、

お金より、どんなものよりも、

盗られたくないものだった。


 

思春期の多感な時期に、

自筆の描きかけの漫画が出回るなんて、


地球をはみ出すレベルの恥ずかしさである。

 

 



 

幸いなことに、

当時の私は少年漫画好きだったので、

 

BL系や、18禁、

赤い実はじける系漫画の破壊力に比べれば

スッキリとしたものだった記憶はあるが、

(そうだったとしたら間違いなく失踪しただろう)


それでも十二分に恥ずかしい。




 

それから数日間は、

全人類に弱点を握られているかのような、

心底気の休まらぬ日々を過ごした。

 

 
 
 
 
 






もちろんこのことは、
先生にも伝えた。

 
再発防止も兼ねて、
犯人は見つかるにこしたことはないと、
考えたからだ。
 
 
 

 
すると、
想定外のことが起こった。
 

 
その翌日の全校集会で、
生徒指導担当だった音楽科の教師が、

片手にマイク、
片手に私のカバンを手に持ち、
 
 
「こんなことをしたのは誰だ!」
と、
もの凄い形相で怒鳴ったのだ。
 





裂かれたカバンを高く持ち上げ、
反旗のように誇らしく掲げる姿は、

まるで革命軍のリーダーのようだった。
 



その誇らしさとは対照的に、
恥ずかしさの余り顔が上げられず、

周りの誰のことも見ることができなかった私。
 
 
 


もちろん匿名ではあったけれど、
『酷いことをされた人』として紹介されることで、
「お前は誰かから攻撃されるような人間なんだ」と
言われているような気がした。



『可哀想な人』という、 

目には見えない「レッテル」を、
貼り付けられた気がした。




明らかに、
カバンを裂かれた時よりも、
私の自尊心は傷ついていたのだ。
 
 
 



 
それが自分だと知られたくない、
気付かれたくないと思いながら、
体育館の床だけを見つめた。
 

その瞬間から私は、

「被害者」となった。

 


 
 






 
彼は、
何に怒鳴っていたのだろう。
 
今でもそれは、分からない。
 
 
 


名乗り出てくるはずの無い犯人に、
言葉が響いたとは思えないし、
 
正義をふりかざしながら怒鳴っている自分に、
酔っているようにすら見えた。






彼は、
本来は無かった傷口を想像で創り出して、
正義という名のメスを差し込み、

そこから流れる血液を、
いたずらに世間に晒した。


そしてそのことに、
生涯気がつくことは無い。







私はあの時の体育館での居心地を、
今も鮮明に覚えている。


自分以外の誰かが、
自分のことを「被害者」だと決めつける行為は、
暴力だと思った。









 
 
それもあり最近は、
災害の被害に遭われた方のことを、
「被災者」と呼ぶことに
ためらう自分が要る。
 

 
私の経験とは全く別物なので、
「お気持ち分かります」などと
到底言えるものではないが、
 
 
例えば自分の親族が被災したら、
「被災者」としてではなく、
「親族」として接するのだろうと思うと、
 

この呼び名の意味が、
分からなくなったりもする。
 
 
 



 
知ってもらうことが必要なことでも、
晒し方次第で、
傷つく人が居るかもしれないこと。




全てを丸く収める箱など
どこにも無いのかもしれないけれど、

頭の片隅に置いておきたい、
体験から知った感覚だ。
 
 
 
 



  
 

ドキュメンタリーのような報道や、
涙を誘うために編集されたニュースは、
 
誰のための報道で、
何のために作られたものなのだろう。


 


少なくとも、あの日私は、
泣くためにそれらを見ていたわけではなく、

自分にも出来ることはないかと、
希望のカケラを探していた。
 
 






自分に向かって流れてくる全てのものを、

受け取るのか、受け取らないのか、
自分で決めて行きたいと、
改めて思った。
 
 



 








ちなみに、
紛失した描きかけの漫画は、
あれっきりだ。


どうか、
どうか焼却炉で燃えていてくれと、

心から、全力で、祈っている。





本当に暑い日が続いています。
全ての皆さまの身の安全を祈っています。






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