とうとう出発の日が来た。
あれだけ遠い日のことと思っていたのに妙な気持ちだ。
7時間後には私はホーチミン・デタム通りの安宿街を彷徨っているだろう。
ブッディン、70st等、善良な日本人が眉をひそめるプノンペンの暗部へと乗り込むだろう。
カンボジアの太陽と雨のもと、私は何を得て、何を失うのだろうか。
まもなく出発の電車が出る。
豊かで、薄っぺらで、口やかましく、言い訳がましく、びくびくした日本の生活ともあと4時間でお別れだ。
私は自由になる。
プノンペンは程よく暑く、良く晴れて、ほこりで空は白っぽく霞んでいた。
ラーメン屋があるのに気付いた。
日本の有名ラーメン店だったと思う
壁かけの木製のメニュー札を見ると、
端のほうにハッピーラーメンとベリーハッピーラーメンがあるのに気がついた。
これが噂のアレか・・。
ベリーハッピーラーメンを注文する。
メンの上に、モヤシと混ざってシロっぽい野菜が乗っている。
思い切り大きくすくって口の中に入れた。
食べすすめるうちに、
水をのむコップが意に反して手からすべりおちるのを感じた。
目が霞み、焦点がぶれる。
口がぴりぴりとしびれる。
ハッピーになったというよりは神経毒にでもうやられた感じだ。
次に気付いたとき、誰かの案内で市内の悪路を歩いていた。
ほこりが舞い、ギラギラ日が照っているが、
道路も空も白い。
両側は工場だった。
「ブッディン」
誰かがいった。
ブッディンはスラムだ。
工場地帯に併設された廃墟アパートだと思った。
黒い肌をどれでさらに真っ黒に汚した子供たちが
走り回っていた。
その先に異様なものがあるのに気付いた。
囲いの中に動物が押し込められている。
ひとつめの囲いは人間の顔にヤギの胴体がついた生き物。
ふたつめの囲いは、人間の顔に猫の胴体がついた生き物。
虐待されているようだった。
人間の言葉を話し嘆いていた。
見世物として商売道具にされているらしい。
世の中にはこんな珍しい生き物がいるのか。
カンボジアまできた甲斐があったと思った。
その後、スキー場、夜の温泉の夢をみるのだった。
ラーメン屋があるのに気付いた。
日本の有名ラーメン店だったと思う
壁かけの木製のメニュー札を見ると、
端のほうにハッピーラーメンとベリーハッピーラーメンがあるのに気がついた。
これが噂のアレか・・。
ベリーハッピーラーメンを注文する。
メンの上に、モヤシと混ざってシロっぽい野菜が乗っている。
思い切り大きくすくって口の中に入れた。
食べすすめるうちに、
水をのむコップが意に反して手からすべりおちるのを感じた。
目が霞み、焦点がぶれる。
口がぴりぴりとしびれる。
ハッピーになったというよりは神経毒にでもうやられた感じだ。
次に気付いたとき、誰かの案内で市内の悪路を歩いていた。
ほこりが舞い、ギラギラ日が照っているが、
道路も空も白い。
両側は工場だった。
「ブッディン」
誰かがいった。
ブッディンはスラムだ。
工場地帯に併設された廃墟アパートだと思った。
黒い肌をどれでさらに真っ黒に汚した子供たちが
走り回っていた。
その先に異様なものがあるのに気付いた。
囲いの中に動物が押し込められている。
ひとつめの囲いは人間の顔にヤギの胴体がついた生き物。
ふたつめの囲いは、人間の顔に猫の胴体がついた生き物。
虐待されているようだった。
人間の言葉を話し嘆いていた。
見世物として商売道具にされているらしい。
世の中にはこんな珍しい生き物がいるのか。
カンボジアまできた甲斐があったと思った。
その後、スキー場、夜の温泉の夢をみるのだった。
R嬢が実家に尋ねてくるのだった。
そのR嬢の顔を見て、衝撃がはしった。
顔がまるで違うのだ。
顔中に醜い皺がより、たるんだ頬はビニールのようにてかっていて、
完全な老婆の顔だった。
眉毛はとうに落ち、描かれた上がり眉が不気味だった。
R嬢はせいいっぱい愛嬌をふりまくのだが、
それがさらに異様さを増していた。
この短期間になにがあったのだろう。
とっさに、薬物による急激な老化を直感した。
私の母は「だあれ、あなたのお友達?」
と困ったように目を泳がせ僕を見るのだった。
私も困惑し、まともに彼女を見ることができなかった。
そのR嬢の顔を見て、衝撃がはしった。
顔がまるで違うのだ。
顔中に醜い皺がより、たるんだ頬はビニールのようにてかっていて、
完全な老婆の顔だった。
眉毛はとうに落ち、描かれた上がり眉が不気味だった。
R嬢はせいいっぱい愛嬌をふりまくのだが、
それがさらに異様さを増していた。
この短期間になにがあったのだろう。
とっさに、薬物による急激な老化を直感した。
私の母は「だあれ、あなたのお友達?」
と困ったように目を泳がせ僕を見るのだった。
私も困惑し、まともに彼女を見ることができなかった。
R嬢と会った。
小柄で宝生舞似のかわいい子だった。
静謐で上品な雰囲気ながら話題も豊富で、
楽しい子だった。
かわいい
彼女にしたい。
そう思った。
エイリアン展を見て、ヴィーナスフォートを散歩し、
潮風公園で話した。
腕に残った無数の傷跡を見た。
明らかに縫ったような傷もあった。
私の視線に気付いたのか、彼女は隠すように腕を後ろに回すのだった。
その傷は玲奈の腕にあったものと同じだった。
隠し様のないリストカットの痕。
腕をさすってあげたかったができなかった。
あまり格好よく振舞うことができなかった。
彼女から薦められて買った本は、
猟奇的なホラーだった。
彼女は間違いなく心に闇を飼っている。
その闇は近い将来、間違いなく彼女を、
そして親しい順に周りの人間を傷つけるだろう。
危険な彼女。
その薄い胸板を抱きしめてあげたい。
彼女へのメールは、まだ返事がこない。
結局、彼女は私の凡庸と日和見、偽善を感じ、
人生を共有することを拒んだのだろう。
私の臆病を憎む。
世界は、私が思っているようには割り切れないのだ。
私が処理し、振舞うより、はるかに複雑に、理不尽に、
世界は存在している。
そして、人間もまたそのような存在だ。
まるごと受け止め、悩み、もがき、
そして泣きむせぶ勇気が私にはないのだ。
すまない、理瀬。
小柄で宝生舞似のかわいい子だった。
静謐で上品な雰囲気ながら話題も豊富で、
楽しい子だった。
かわいい
彼女にしたい。
そう思った。
エイリアン展を見て、ヴィーナスフォートを散歩し、
潮風公園で話した。
腕に残った無数の傷跡を見た。
明らかに縫ったような傷もあった。
私の視線に気付いたのか、彼女は隠すように腕を後ろに回すのだった。
その傷は玲奈の腕にあったものと同じだった。
隠し様のないリストカットの痕。
腕をさすってあげたかったができなかった。
あまり格好よく振舞うことができなかった。
彼女から薦められて買った本は、
猟奇的なホラーだった。
彼女は間違いなく心に闇を飼っている。
その闇は近い将来、間違いなく彼女を、
そして親しい順に周りの人間を傷つけるだろう。
危険な彼女。
その薄い胸板を抱きしめてあげたい。
彼女へのメールは、まだ返事がこない。
結局、彼女は私の凡庸と日和見、偽善を感じ、
人生を共有することを拒んだのだろう。
私の臆病を憎む。
世界は、私が思っているようには割り切れないのだ。
私が処理し、振舞うより、はるかに複雑に、理不尽に、
世界は存在している。
そして、人間もまたそのような存在だ。
まるごと受け止め、悩み、もがき、
そして泣きむせぶ勇気が私にはないのだ。
すまない、理瀬。
見ると寝室の壁に、20センチ以上はあろうかという巨大な女郎蜘蛛がはりついている。
長い足を邪魔そうに彷徨わせ、胴体は動かない。
そばから、もう一体女郎蜘蛛が現れ、先の一体に覆いかぶさった。
長い足を動かしながら、交尾を始めるのだった。
なんという夢だ。
長い足を邪魔そうに彷徨わせ、胴体は動かない。
そばから、もう一体女郎蜘蛛が現れ、先の一体に覆いかぶさった。
長い足を動かしながら、交尾を始めるのだった。
なんという夢だ。
終電で六本木に行ったら、vanillaは既に閉店し、建物は取り壊されていた。
悩んだ挙句、flowerに行った。
夜一時を回っているのに、客は三組ほどしかいない。
閑散としたフロアで踊っているギャル三人。
なぜか一人の女の子。
一人の女の子は、すぐにナンパされ、
数人の男に取り囲まれた。
そのうちの一人が熱心に話をはじめ、
周りの男たちはあきらめた様子。
見るべきものも、
やるべきものもなかった。
クラブ通いの女なんて所詮は別世界の人。
仲良くなれるわけもなく、深く知り合えるべくもない。
つくづく感じた。
R嬢のことを思い出していた。
彼女の笑顔、裸のぬくもり、唇に感じたセクス。
私はR嬢を愛しているのだと感じた。この上なく。
千の腕で彼女を包み、やさしく撫でることを想像した。
小さな肩を抱き寄せ、
小ぶりの乳房に手を差し伸べ、指先が乳頭に触れた時の高鳴り
華奢なロリータのそけいから可愛いお腹へ進入した
彼女とひとつになりたい。
そして彼女の幸せのために祈る胸の痛みを感じた。
悩んだ挙句、flowerに行った。
夜一時を回っているのに、客は三組ほどしかいない。
閑散としたフロアで踊っているギャル三人。
なぜか一人の女の子。
一人の女の子は、すぐにナンパされ、
数人の男に取り囲まれた。
そのうちの一人が熱心に話をはじめ、
周りの男たちはあきらめた様子。
見るべきものも、
やるべきものもなかった。
クラブ通いの女なんて所詮は別世界の人。
仲良くなれるわけもなく、深く知り合えるべくもない。
つくづく感じた。
R嬢のことを思い出していた。
彼女の笑顔、裸のぬくもり、唇に感じたセクス。
私はR嬢を愛しているのだと感じた。この上なく。
千の腕で彼女を包み、やさしく撫でることを想像した。
小さな肩を抱き寄せ、
小ぶりの乳房に手を差し伸べ、指先が乳頭に触れた時の高鳴り
華奢なロリータのそけいから可愛いお腹へ進入した
彼女とひとつになりたい。
そして彼女の幸せのために祈る胸の痛みを感じた。
【クラシック リビング】
ブラジリエ
ジャンセン
【暗黒 書斎】
金子國義
ゾンネンシュターン
ベルメール
ナダール
ビートン
etc
【コンテンポラリー ダイニング】
ジェン・ホン・チェン
酒井信義
【アメリカン バースペース】
栗原一郎
【和室】
手塚雄二
【シック 寝室】
三宅輝夫
ブラジリエ
岡義実
山村博男
wさんが、私のカンンボジア行きを非難していることを知った。
あの男、でかい声で。
wさんへの憎しみにかられて、
メールを作成した。
まだ送っていない。
数日たって、それでも自分の気持ちが変わらなかったら
送信しよう。
あの男、でかい声で。
wさんへの憎しみにかられて、
メールを作成した。
まだ送っていない。
数日たって、それでも自分の気持ちが変わらなかったら
送信しよう。
夜11時、着替えてから一人渋谷harlemに出かける。
12:30頃入店。
ポスターだらけの初めて見る暗く汚い階段を上ると、
爆音が響き、大勢の人で盛り上がっている。
キャップにだぶだぶの白シャツの男の大群、
派手なキャミに短いパンツ、マスカラの濃い女の大群。
これが若者文化というものか、26になって初めて知るとは。。
とりあえず景気つけに一杯飲んで体を揺らす。
久しくやめていたタバコがおいしい。
踊っては飲み、飲んでは踊って、過ごした。
七時、眠りについた。
いろんな夢を途切れなく続けざまに見た。
あまり楽しい夢ではなかった。
朝早番で出勤したところ、班の全員がいる。
おかしい、シフトを間違えたと思って、
ワークスケジュールを見たら
目の前が揺れだして、真っ暗になった。
ああ、これは夢なんだ。
本当の自分はどこへ・・
覚めてしまう一歩手前で次の夢が始まる。
まるで夢のDJをしているようだった。
12:30頃入店。
ポスターだらけの初めて見る暗く汚い階段を上ると、
爆音が響き、大勢の人で盛り上がっている。
キャップにだぶだぶの白シャツの男の大群、
派手なキャミに短いパンツ、マスカラの濃い女の大群。
これが若者文化というものか、26になって初めて知るとは。。
とりあえず景気つけに一杯飲んで体を揺らす。
久しくやめていたタバコがおいしい。
踊っては飲み、飲んでは踊って、過ごした。
七時、眠りについた。
いろんな夢を途切れなく続けざまに見た。
あまり楽しい夢ではなかった。
朝早番で出勤したところ、班の全員がいる。
おかしい、シフトを間違えたと思って、
ワークスケジュールを見たら
目の前が揺れだして、真っ暗になった。
ああ、これは夢なんだ。
本当の自分はどこへ・・
覚めてしまう一歩手前で次の夢が始まる。
まるで夢のDJをしているようだった。
理瀬からの返信を受け取ってしばし愕然とする。
「三月は予定がいっぱいだから、四月でもいいかしら。」だそうだ
百合との出来事を思い出さずにはいられなかった。
忙しかった百合
常に手帳が真っ黒だった百合。
一週間先、ならまだしも一ヶ月先と聞くと、
どうしても悲しみがこみ上げてくる。
会う気がないんだ、もしくは優先順位が限りなく低いんだ。
そう考えるしか納得できる方法はなかった。
どんなに忙しい人だって、
一週間か二週間のうちには夕食の都合くらいつくもんだ。
一ヶ月先、というのは不誠実とみなされる範囲であろう。
第一、一ヶ月先という言い方自体がそもそもおかしい。
本当に予定がいっぱいなら、何日までダメ、という言い方をするはずだ。
最後まで、その悲しみから逃れることができなかった。
ほどなくしてリカに出会い、百合と別れた。
風呂に入りながら、そんなことを考えていた。
理瀬は何が望みなんだろうか。
私にはわからない。
「三月は予定がいっぱいだから、四月でもいいかしら。」だそうだ
百合との出来事を思い出さずにはいられなかった。
忙しかった百合
常に手帳が真っ黒だった百合。
一週間先、ならまだしも一ヶ月先と聞くと、
どうしても悲しみがこみ上げてくる。
会う気がないんだ、もしくは優先順位が限りなく低いんだ。
そう考えるしか納得できる方法はなかった。
どんなに忙しい人だって、
一週間か二週間のうちには夕食の都合くらいつくもんだ。
一ヶ月先、というのは不誠実とみなされる範囲であろう。
第一、一ヶ月先という言い方自体がそもそもおかしい。
本当に予定がいっぱいなら、何日までダメ、という言い方をするはずだ。
最後まで、その悲しみから逃れることができなかった。
ほどなくしてリカに出会い、百合と別れた。
風呂に入りながら、そんなことを考えていた。
理瀬は何が望みなんだろうか。
私にはわからない。