僕は全盲で車いす。
毎年京都で開催される
パラ・パワーリフティングの大会に
来年も出場するため
トレーナーとジムでのトレーニングを
今は週1回行っている。
そのジムは、僕の住んでいるすぐ隣の市の
体育館の中にある。
僕のアパートから車で10分ぐらい。
その体育館は、メインアリーナ・サブアリーナ
武道場・ジムなどで構成されている。
どこを利用するにしても基本玄関は一緒。
玄関には靴箱がある。
体育館に入り、ジムに行くため玄関で
トレーニング用シューズに履き替え
扉のない靴箱なので、空いているところに
トレーナーと僕の靴をいつも横並びに入れる。
こんな感じ
左側が僕の靴で、右側がトレーナーの靴。
その日もトレーニングが終わり帰ろうと
僕の靴が取りやすいようトレーナーが
靴箱に車いすを横付けしてくれる。
そして、片方の靴を取り出した僕は
はて? 何かがちがう・・・
トレーナー 「のぶくん、その靴違いますよ」
と慌てるトレーナー
のぶ 「や、やっぱり〜」
と言う僕にすかさず
トレーナー 「のぶくん見えない事をいいことに自分の靴よりいい靴だからって履いて帰ろうとしちゃだめですよ〜」
のぶ 「違う、違う」
と否定するのだけれど
トレーナー 「いやいやいや〜、だめですよ盗んじゃ」
トレーナーのその言葉にさすが彼女の息子だ
と思う僕なのでした
僕のトレーナーは彼女の息子です。
『盗みを未然に防いだのねナイス息子』byさち
『のぶくん、窃盗は犯罪ですよ』byさち
※このお話はノンフィクションです。