「これ、手にとってみてもいいですか?」
「どうぞ」
そう言って声の方へ振り向くと、手にしているのは水晶玉でした。
透明度抜群。
正真正銘、天然高グレードの水晶玉。
しまった・・・
そう思っても後の祭り。
ま、いっか・・・私がちゃんとついていたらいいんだから。
普通のストーンショップでは、水晶玉はガラスケースの中に陳列してあるものなんでしょうか。
当店はそんなことありません。
それこそホント「そのへん」に置いてあります。
一応、小さなお子様の手には届かないように配慮してはいますが、誰でも普通に手にとっていただける場所に置いてあります。
それは、単に無頓着(!)というのもありますが、できるだけ多くの方に、水晶とガラスの違いを知っていただきたいから。
水晶とガラスは言うまでもなく違います。
でも実際、何がどう違うのか。
もちろん成分もありますが、温度だったり硬さだったり重さだったり・・・・。
でも、それって何度も経験しないと、なかなか覚えることはできません。
当店ではそういう人のために、水晶見分けグッズなるものを販売しているわけですが、慣れてしまえば、そんなものを使わなくても、水晶の見分けくらいできるようになるものです。
その方は、水晶玉を手に取り、おもむろに腕にこすりつけるようにして、水晶玉の中を覗き込んでいます。
ああ、そうか。
こういう方は、時々店頭で見かけるタイプの人です。
水晶の複屈折を調べてるんですね^^
水晶の複屈折は有名なお話で、当社も最初の頃は、これで水晶を見分けていましたし、お客様にもそういう風にお話させていただいていました。
水晶玉を見分けるとき、髪の毛など細い線を見ていただくと、どこかに2重になる箇所が存在します。
これは水晶の複屈折という特徴によって見分ける方法ですが、なんだかんだでこの方法が最も一般的に流通している見分け方のようです。
ある程度ご年配の方でかつ石好きな方は、よくご存知ならしく、楽しいからなのか、店内あちこちで一生懸命見分けていらっしゃいます。
腕にこすりつけるような仕草は、腕の毛を見ていたから。
こういう人、意外と多いんです。
「わかります?よかったら私の髪の毛使います?」
と聞くと、
「いや、いいです。見えますよ、はっきりと。」
そう言うと、くすりと笑って
「いやね、これやってるとよく「何してるんですか?」って聞かれるんだよね」
「ああ、知らない人が見たら、確かに「何やってんだろう?」って思うでしょうねえ?」
「いや、でもそれ聞くの、店員だよ?」
水晶の複屈折の話は有名なお話で、水晶のお好きなかたは、当たり前に知っていることのように感じています。
当ブログでも、最初の方に書いた記憶があります。
だって、基本中の基本だもの。
石を扱うにあたって、石の性質を知るのは、とても重要です。
硬さだったりへき開だったり・・・。
万が一何かあった場合、それを知っているのと知らないのとでは、対応が全く異なります。
そして、何かが起こる前に、対処することができるのは、その性質を知っていたからならでは・・・ということも少なくありません。
一般のお客様がご存知ないのは、仕方がないお話です。
無頓着に置いてある水晶玉を見て「偽物なんじゃない?」と思う気持ちもわかります。
そんな中で、ちょっと不思議なことをしている人を見て、さらに不思議な気持ちになるのも、わかります。
そして
「なにやってんだ?この人・・・」
ということになってしまうのです。
でも、相手がストーンショップの店員ともなれば、話は別です。
バイトであろうがなんだろうが、石の基本的な性質くらいは、知っておいて欲しいものです。
「何してるんですか?」って言われたらさあ・・・ここの店大丈夫なのかな?って思っちゃうよねえ?」
確かに、水晶とガラスの違いが分からずに、ガラスを水晶として置いてあったとしても、知識がないので調べる術がありません。
でも石屋なら、それくらいは軽くこなして欲しいものです。
石を知らずに、石が売れるか??
(いや、私も知らないことまだまだ多いんだけど^^;)
お客様の信用にも関わってきます。
アルバイトの店員さんに、それほど多くを求めるつもりはありません。
ただ、知識として、知っておくくらいは、していてもらいたかったですね。
お客さんって、信用を買いに来てるんですから。
