こんにちは! 廣田信子です。
マンションの最後はどうなるか…
今、マンションを巡っては一番のテーマだと思います。
昨日まで、
日本マンション学会の大会が札幌で開催されていました。
その中で、「解消制度特別研究委員会」
(委員長:小林秀樹千葉大学教授)から
区分所有法関係の解消制度の提言が報告されました。
解消制度とは、
特別多数決議により
区分所有関係の解消を行うとともに、
その後の「建物解体」、「敷地売却」、「建物と敷地の一括売却」を
円滑に進める制度
と定義されています。
区分所有建物は、建物が老朽化した後は、
「建替え」という方法しかありませんでした。
もちろん、区分所有者全員が承諾すれば、
常に、どんな選択も可能なのですが、
特別多数決議をもって、反対者がいても、
実施できる道はありませんでした。
東日本大震災で仙台の被災マンションでは、
建替えが困難なため、
特別多数決で敷地売却できる制度が求められ、
被災マンション法が改正され、2013年に施行されました。
その後、耐震性が不足するマンションに関しては、
被災に関係なく、「建物解体」「敷地売却」ができる制度が
法制化されました。
これで、耐震性が不足する老朽マンションに関して、
「建替え」以外に「建物解体」→「敷地売却」という選択が
できた訳です。
老朽化した高経年マンションは、
大抵は耐震性も不足している訳ですが、
壁構造の建物で、建物はひどく老朽化しても
耐震診断の結果では、耐震性不足にはならないものもあります。
また、建物を壊さないと敷地を売却できないので、
建物ごと買い取りたいというニーズがあっても、
それに対応はできませんでした。
今後、これらの課題を何とかしなければならないという
課題が残されていたのです。
何とかしなければという問題意識は、
多くの関係者に共通しているのですが、
では、どのような制度にすればいいのか…
「区分所有権」という権利の根幹にも関わる問題であり
同時に、場合によっては、
建物を長く維持管理していこうという
マンション管理に関して積み上げてきたマインドに
水を差すことにもなりかねない
懸念もあります。
分科会では、様々な議論がありました。
特に特別多数決議に客観要件が必要かというとこころが、
最大の山になると思います。
試案のひとつの考え方として、
区分所有権を一定期間保護する必要があるという考え方で、
築50年を経過したマンションについては、
全員合意でなくても、4/5の特別多数決議で、
「建物解体」、「敷地売却」、「建物と敷地の一括売却」が
可能とする案が示されました。
例え1人の反対者であっても
「50年」は、「区分所有権」が保護されるようにしよう
というものなのですが、
なかなかそうは読んでもらえません。
「50年」が建物の寿命と誤解するような考え方が広がり、
現状、築50年のマンションが、
築80年まで維持管理していく計画を持っている現状に合わない
築50年近いマンションの長寿命化のモチベーションを下げる
永住するつもりの高経年マンションの高齢者は受け入れられない
といった趣旨の意見が出されました。
まさに通りです。
そのことは、提案者である研究会のなかでも、
何らかの対策が必要だと認識されているのですが…
現実は難しいのです。
この法案が閣議決定されたときの、
新聞の見出しが目に浮かびます。
「築50年のマンション、4/5の賛成で解体可能に」
で、
長寿命化を目指して頑張っていた管理組合の理事さんからに
動揺が走り、
相談機関の電話がジャンジャンなります。
そして、築40年過ぎのマンションには、
「もう後10年で区分所有権は保障されなくなるよ、
今のうちに売った方がいいですよ」
といって、安く住戸を買い取ろうという
地上げ屋のような業者が入り込む…。
今でも、すでに始まっているこういった動きが、
築50年という数字が法制化されたことを悪用して、
より激しさを増す様子も見えてしまいます。
どうすれば、
今の法律では先に進めないマンションを救い、
長寿命化を目指すモチベーションを下げることなく、
居住者に安心を保証できるか
法律だけでなく様々な方策と組み合わせて
今後、検討が進むことと思います。
私としては…
いずれ、必要になるだろけど、それはもう少し先、
マンションの最後の迎え方について議論が
もう少し一般化した時でいいでいいのかもしれない…
今、この法律ができたら、
誤解や様々な思惑のマイナスの方が大きいと感じました。
まあ、法改正は簡単ではありませんから、
これが実際に法制審議会を動かすまでには、
もっともっと説得力がある裏付けが必要になるのだと
思うので、
ちょうどよいのかもしれません。
高経年マンションで、
長寿命化を目指しつつも
いつか来る終末期をどう迎えるかと言う話し合いを
早急に始めなくては…という思いで聞きました。
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