論語知らずの論語塾。
きょうは、「仁」スペシャル。
500あまりの論語の中で、孔子が「仁」に言及したのは100ほどある。
つまり5分の1は「仁」だ。
「仁とはなんぞや」と、弟子たちからの問いに答える形で、多くの事例を紐解いている。
仁について、最もわかりやすい例えは何かと、安岡塾長に質問したら「
克己復礼」と即答が返ってきた。これは弟子の顔淵の問いに対する答え。己に克(か)ち、礼に復(かえ)る。つまりは、私利私欲に打ち克って、人としての真の道に立ち返ることが仁というものだ。
樊遅(ハンチ)という弟子は、質問魔だった。
中でも、「仁」について3回も聞いている。
孔子は3回とも違う答え方をしている。
「難しいことを先にして得ることは後に回すこと」
「人を愛すること」
「だらしない恰好をしないこと。慎み深くすること。真心を尽くすこと」
仲弓の問いに対しての答えは、こうだ。
「人に心を込めて接する。丁寧な態度を忘れない。つまりは、自分がされたくないことは人にしないことだ」
司馬牛に対する答えが、
意外性もあるが、ことばのタネマキストのボクは好きだ。
「つっかえつかっえ話すこと」だというのだ。
流暢に淀みなく話すということは、考えていない証拠だ。
真剣に言葉を選びながら話す人こそ仁者、
信頼に足る人だというのだ。
ことばの引き出しから、その場その時に相応しい言葉を
吟味に吟味を重ねて使うことが大事。
「立て板に水」でなくていいのだ。