山梨県甲斐市。快晴の下、富士山も見えた。
桜も、なんとか持ちこたえた。
なにしろコンサートのタイトルが「さくらさく」だから、
今年の遅咲きが功を奏した。
訪れたのは、佳き空間だった。
キングスウェルホールは、1,000㎡の木造建築。
羊色の外壁が暖かに包み込み、
ユニークな形の大屋根は天然石のストレート葺き。
内部も素朴な木の質感とラインの美しさが際立ち、響きが心地よい、落ち着いた空間だ。
まるで教会のように、パイプオルガンが中央に鎮座する。
ドイツ・ドレスデン近郊の村の小さな教会にあったパイプオルガン(1722年製)のレプリカだ。このジルバーマンスタイルのオルガンは、ベネツィア・バロックオーケストラのマエストロの推薦により、170年余の伝統を誇るイタリアの工房で、3年の年月をかけて製作されたものだ。
敷地内には、英国式庭園や、イタリアンレストランもある。
この場所とのご縁は、クラブハウス。
声だけで知り合ったヴィオラ奏者の山寺明子さんとのご縁から、
ここでの朗読コンサートが実現した。
山寺さんは、クラブハウス「まさこと道草」のご常連でもあった。
木村まさ子さんとのご縁も繋がり、山寺さんの義父が始めたホールで朗読コンサートが出来たらという夢が現実のものとなった。
このたびのコンサートで、ヴィオラという楽器が身近になった。
ヴィオラは、バイオリンとチェロが出せない音域を出すことが出来る。
バイオリンより低く、チェロより高い音域だ。 合唱に例えると、アルトパート。 音色も非常に魅力的で力があり、聴いている人を感動させることができる。中音域を担うヴィオラは、オーケストラには欠かせない存在だ。人間の声に最も近い楽器と言われる。だからか、朗読と相性がいいように思う。
山寺さんも、このたびのコンサートで、自分の楽器を見つめ直したようだ。多くの人から、「朗読と音のコラボレーションで素敵な体験ができ、涙が出ました」という声が届いたそうだ。
ソロで、これだけの曲数を弾く機会がなかったので、 新たなスタートを切れたような気がするそうだ。
右手がピアノの会田道孝さん、左手が山寺明子さん
アルソアの滝口玲子社長からの花を囲んで
チームアルソアと。
山寺ファミリーと。