北鎌倉駅を降りて、円覚寺を左手に見ながら小道を歩く。
踏切の手前で左折。左手に葉祥明美術館。突き当りに明月院。
ここまでは来たことがある。
明月院前を左折してさらに歩く。初めて歩く道は不案内だから、
ミステリアス。しかもボクが訪ねた日は雪の日。
この道で合っているのか、この先に目的の家があるのか、
不安げに歩いていると、急坂に出くわす。
ほんとうに45度くらいの急傾斜。その途中に目的の家はあった。
「青木山荘」。
ここの女主人、青木理恵さんが満面の笑みで出迎えてくれた。
寒さも吹き飛んだ。
築50年の大屋根の古民家をリノベーションした。
当時ニューヨークに住みながら、
建築家の宮田一彦さんと、メールで打ち合わせを重ねながら
想いを形にしていった。2017年に完成し移り住んだ。
1階はセミパブリックなスペースとして、セミナーや料理教室を開催できる。スタンウェイのグランドピアノを置いてもなお広々と使える空間ができあがった。
2階は夫婦ふたりのLDKと寝室・書斎のあるプライベートな空間。まあるい窓から、お月見の出来る部屋もある。
夫の仕事で、20年あまり海外で暮らした。
滞在先で購入した西洋の家具、引き戸などの古い日本の建具がともにしっくりと馴染み、その両方を引き立てあっている。
ハイスツールに座って食卓を囲めるダイニングテーブルは、真ん中にコンロがあるので、ここで温かい食事を囲んだり、料理教室をすることもできる。
1階の離れには茶室もある。
建築家の丹下健三さんの弟夫妻が住んでいた家なので、茶室は丹下流の造りで水屋もある。飛び石、つくばいを通って庭から茶室に行くこともできる。夫がお茶のお点前をするそうだ。
実は、青木さんとは、以前お目にかかっているらしい。
らしいというのは、直接挨拶は交わしていないからだ。
2017年に、円覚寺の夏期講座の講師をさせていただいた折、
青木さんが、ボクの話を聴衆として聞いていらしたそうだ。
回りまわって、このたびご縁が繋がった。
今月17日に、青木さんのサロンで茶話会をすることになっている。
茶室もステキな空間。
青木さんには、「ナミの鎌倉ナビ」にご出演いただき、
お話も伺った。
放送は、鎌倉FMで、13日13:30~と21:00~。