東京・南青山の「松山バレエ団」に伺った。
1948年に、当時日劇のバレリーナであった松山樹子(みきこ)さんと、彼女のファンであり、当時内務省の役人であった清水正夫さんによって、東京・青山の幼稚園を借りて設立された。
以来75年、日本のバレエ界をけん引してきた。
森下洋子さんは、松山バレエ団の顔として、世界のプリマバレリーナとして70年あまり第一線で活躍している。
そのパートナー清水哲太郎さんは、松山バレエ団総代表として、バレエ団が上演する作品の演出・振付を手がけてきた。
『白鳥の湖』『コッペリア』『ロミオとジュリエット』 『くるみ割り人形』『シンデレラ』などの古典作品に新しい息吹を与えて蘇えらせて、芸術選奨文部大臣賞など他多くの賞を受け、高い評価を受けてきた。
このたび、森下洋子さんにインタビューすることになり、久しぶりに松山バレエ団を訪ねることになった。
広報の松本さんから、訪問時間を指定する連絡があった。
そうはいっても、セッテングもあるからと早めに行ったら、松本さんが待機していて、別の場所に誘導された。
松本さんは、ニコニコしながら、腕時計を見ている。
ほどなく、促されて、松山バレエ団の玄関に通じる小道を曲がったとたん、チュチュ姿のバレリーナたちが左右に並んで拍手で出迎えてくれたのだ。「ようこそ、ようこそ」と清水哲太郎さんの弾んだ声が聞こえてきた。中央には、小柄な森下洋子さんの姿。両手を広げて歓待のしぐさ。
まるでバレエ公演の舞台に誘われたようだ。
そして稽古場で、稽古の様子を特別に見せていただいた。
そこには、壁一面にスローガンにような文字がぎっしり。
その時々で響いた言葉、座右の銘にしたい言葉、目標にしたい言葉…まるで言葉のシャワーを浴びているような気になる。
バレエのレッスンを一日も欠かすことが出来ないように、言葉も毎日毎日自分に言い聞かせないと浸透しない。
この中で一番大事にしている言葉はと、清水さんに問うと、即座に「真善美」と答えが返ってきた。「真はまこと、善は行為、美はその結果」。
常に「真善美」を追求しているのだろう。
温かい歓迎の洗礼を受け、身も心も高揚したまま、森下洋子さんのインタビューに臨むことになった。 (この項つづく)
華やかな世界に誘われる
感動のあまり嬉し涙を流すムラカミ
稽古場に掲げられたスローガン数々
いちばん大事なことな「真善美」
稲盛和夫さんの色紙
お見送りも!