円覚寺で「ことば磨き」 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

北鎌倉・円覚寺で修行する僧侶の皆さんと、ことば磨きをしてきた。

みなさん、ことばについて造詣が深い。

教えられることが多々あった。

 

「伝える」と「伝わる」の違いについて考えた。

「伝える」

●一方的なコミュニケーション 話し手の満足で終わる

●能動的

●運ぶ

●対象は狭い 期間も短い 内容は浅い

●他者に行きつく

●相手が理解しているかどうかに関わらない

●発信する側の視点

●1人、力み、意志、情報、誰が何を

●相手が受け取るかどうかは関係ない

●意識的

●理解したかに関わらず、ただ伝えるのみ

 

「伝わる」

●双方向的なコミュニケーション 会話が歯車のように噛み合う

●受動的

●運ばない

●対象は広い 長く続く 内容も深い

●他者のみでなく自分も含め感じ取る

●相手が理解している状態  

●受信する側の視点

●2人、自然、成就、うわさ、何が誰に

●意図の共有が出来ている状態

●自然的

●理解したことを確認しながら話す

●相手の腑に落ちた状態

●相手が察する

 

自分の心が喜んだことば

●混じり気のない純粋な「有難う」

●その服、その恰好、その考え方「ステキだね」

●素晴らしい、あなたしかいない、さすが、いいね、ナイス、有難うね

 感動した、助かったよ、楽しかったよ…9つあげた人がいた。口にするだけで波動が高まる。

●災難に遭う時節には災難に遭うがよく候。死ぬる時節には死ぬがよく候。これはこれ災難をのがるる妙法にて候。(良寛)

●君には花がある(中学の先生)

●失敗してもいいんだよ。

●甘えてもいいよ。

●やまない雨はない。明けない夜はない。

●芸術などない。芸術家がいるだけだ。(ゴンブリッジ)

 強いものなどいない。強くあろうとする人がいるだけだ。(バガボンド)

 哲学などない。考える人がいるだけだ。(池田晶子)

●私は、あなたが結構好きだよ。

●明日は明日の風が吹く。

●両手を合わせる 両手でにぎる 両手で支える 両手で受ける
両手の愛 両手の情 両手合わしたら 喧嘩もできまい
両手に持ったら 壊れもしまい 一切衆生を両手に抱け(坂村真民)

●僕のことを好きじゃない誰かのことでくよくよする時間はないんだ。僕は、僕を大好きでいてくれる人を大好きでいるのに忙しすぎるから。(スヌーピー)

●神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。(ラインホルド・ニーバー)

●あなたに会えてよかった

 

声に出して読んでいるだけで、心が喜ぶ。

円覚寺には、佳きことばが飛び交っていた。

 

(円覚寺の横田南嶺管長と)