論語知らずの論語塾(14日)。
この日も多くの学びがあった。その中から2つ。
この日の学び その1 6つの美徳 6つの弊害
子曰わく、由(ゆう)よ、
女(なんじ)六言(りくげん)の六蔽(りくへい)を聞けるか。
対(こた)えて曰わく、未(いま)だし。
居(お)れ、吾(われ)女に語(つ)げん。
仁を好みて学を好まざれば、其の蔽や愚。
知を好みて学を好まざれば、其の蔽や蕩(とう)。
信を好みて学を好まざれば、其の蔽や賊(ぞく)。
直を好みて学を好まざれば、其の蔽や絞(こ う)。
勇を好みて学を好まざれば、其の蔽や乱。
剛を好みて学を好まざれば、其の蔽や狂。
仁(すなわち)愛は大事だけど、考えないと、ただ感情に支配された愚か者になってしまう。
知識を得るだけでは単なる物知りに過ぎない。学問を好まないと、どうしたら良いか解らなくなる。
何かを信じても、学問を好まないと、盲信してしまう事になる。
表面的な事実だけを見て、よく考えもしないで正直に指摘しても、
浮いてしまうことになる。
深くものごとを考えた上での勇気と、イケイケドンドンの蛮勇とは違う。
頑固で信念を曲げないのはいいことだが、何も考えず押し通すのは、単なる意地っ張り。
美徳の裏には悪徳が張り付いている。
とにかく、よく考えること。
この日の学び その2 仁を実現する5つのこと
子張、仁を孔子に問う。孔子の曰わく、能く五つの者を天下に行なうを仁と為す。これを請い問う。曰わく、恭寛信敏恵なり。恭なれば則ち侮られず、寛なれば則ち衆を得、信なれば則ち人任じ、敏なれば則ち功あり、恵なれば則ち以て人を使うに足る。
子張が、どうしたら仁を実現出来るのか尋ねた。
孔子は答えた。
「恭(うやうやしいこと)・寛(寛容であること)・信(信頼されること)・敏(すぐ動くこと)・恵(恵み深さ)の5つが出来たらいい。
なにごとも疎かにしなければ人から侮られない。
寛容な心があれば人望が得られる。
言葉に気をつけていれば人から信用される。
直感で動けば仕事の成果が上がる。
自分の持っているものを、惜しみなく与える。贈与こそ行動の本質。
(高橋源一郎訳を参照)