平原まことメモリアル | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

サックス奏者、平原まことさんの50周年メモリアルコンサートに、

過日(3月5日)行ってきた。

会場の東京国際フォーラムCは、1500席満員。

ご本人は、一昨年11月他界したのだが、綾香さん、AIKAさん2人の娘、親友の宮川彬良さん、さだまさしさんが集い、故人の音源とコラボして、まるで、まことさんがそこにいるようだった。

いや、そこにいた。

だから、客席にいて、温かく優しい気持ちになれたのだろう。

 

進行は、娘の綾香さん。

父をどれだけリスペクトし、愛していたことだろう。

毅然とした話しぶりに、そのことが伝わる。

父の遺したことばを、綾香さんが朗読する。

そこだけが、切ない。

「愛する人をなくした悲しみは、消えるものではありません。でも、癒しの光は、毎晩あなたに届くことを願って輝き続けているのです。

すべての愛する人達へ心を込めて…」

まるで遺言のように聞こえる。まことさんの演奏をCDで聴きながら、それが癒しの光の如く感じる。

 

まことさんの最後のレコーデイング。絶対吹けない体調をだったのに、自宅で録音に挑んだ。ミキサーは綾香さんが担当した。

収録後、「レコーデイングのとき、何かつかんだ気がした。これからってときに病気になっちゃった。けど、諦めたわけじゃないよ。あーや、感じたように歌えばいいよ」と綾香さんに言ってくれたそうだ。

告別式で、この時の収録曲『Feels Like Home』を、綾香さんは、父とデュエットした。

 

亡くなる少し前、「生まれ変わってもママと一緒になりたい。もちろん前も好きだったけど、今の方がもっと好き。愛っていうのがわかったんだ」

と言っていた。

妻を愛し、娘を愛し、仲間を愛し、自然を愛しと、愛の人だったから、

多くの人に、愛され続けるのだろう。

 

(50周年記念アルバム)