杉岡美波(みなみ)さんから、たんば女性STORYに、もう一度出してほしいと連絡があった。自分が罹患した難病について、どうしても話したいという。体調を案じながら、再出演してもらうことにした。
杉岡さんは、ストリートジャズダンサー。
自らパフォーマンスをする一方で、福知山にダンススタジオを作り、
教えている。ヨガインストラクターでみある。現在30歳。
ほぼ1年ぶりに再会したが、「難病」と聞いていなければ、なにごともなかったように表向きは元気に見える。
彼女は、6年前年ごろから、少しずつ体調が悪くなり始めていた。
頻繁に高熱を出し、入院することもあったが原因はわからなかった。
4年前ごろからは、高熱伴う全身の痛みが頻繁に起こるようになった。
2年前ごろからはひどい倦怠感、メンタルダウンが毎日のようにあり、一度はうつ病と言われた。
去年5月から急激に悪化し、副腎不全の疑いがあり検査入院した。
負荷試験というホルモンの検査を1週間かけて行い、コルチゾールが出てい ないこと、 コルチゾールを出すための副腎に指令を送るACTHというホルモンが出てい ないことがわかった。
6月からステロイドを飲み始めた。
月1回通院しながらMRIの検査をしたところ、脳下垂体に腫瘍が見つ かった。 最終的に病名を特定するための負荷試験を行う薬剤がコロナや戦争の影響で、日本に入るのが困難だったため、検査は10月末になり、年末にようやく正式 な病名が判明した。
「指定難病78-2 下垂体前葉機能低下症」。
2022年にスタジオを移転したばかりで、さあこれから!!というタイミングで倒れてしまい、精神的にかなり辛かった。
スタッフや生徒、保護者に迷惑をかけてしまい、心が折れかけた。
だが、数年にわたる体調不良が自分の管理不足や、だらけでないことがはっき り判ったことで正直ホッとした面もある。
見つけるのが大変難しい病気で、命に関わるものだったので、病名を突き止めた県立丹波医療セン ターの見坂恒明先生との出会いは運がよかった。地域医療などに大きく貢献されてい る先生で、病気についても詳しく教えてくださり、不安なことがある時は話を聞い てくださりとても信頼している。
同じ病気や症状のある方でも、診断してもらえ る病院がなかなか見つからず、たらい回しにされることがよくあるそうだ。そんな中、地元の病院で治療を開始できたのは幸いだった。
薬局の方もいつも 時間を割いて相談に乗ってくださり、地元医療は充実していると感じている。
ステロイドを飲み始めてからは、ある程度元気に過ごせ、普通に布団から起きて動けるようになった。
だが、副作用には悩まされている。顔や腹囲が太 り、浮腫みが出た。ダンサー、ヨガインストラクターにとって見た目に出ることは、受け入れがたいことだ。
気圧や身体的ストレス、精神的ストレス、運動量によって、体調に影響が出る。元気に動ける日もあり、起きられない日もある。
周りに理解されづらいのが一番しんどい。 だらけていると思われ悩んでいる方もたくさんいる。
難病を説明するのは難 しく、理解されなくて落ち込んでしまうこと は、よくある。ゆえに番組で訴えたかったのだ。
同じ難病で苦しむ人たちの声を集め、代弁もした。
彼女の必死の思いが、リスナーに少しでも伝わればと思う。
杉岡美波さん出演の「たんば女性STORY」は
3月21日、28日20:00~、
その週の土日10:00~、FM805で放送予定。
サイマルラジオなら、日本中で聴ける。
鎌倉FMでも毎週木曜13:30~放送。