東京ことば磨き塾(12日)。
高崎から、川越から、小田原からと、
遠方からも参加してもらえるのは有難い。
ヒーローインタビューの続編。
誰をヒーローにし、誰にインタビューをしてもらうかは、
その時その時の勘で進めていく。
進行状態を見ながら、次の組み合わせ、誰に感想を聞くかを
考えている。
結果、ことばの神様が書いた台本が、予めあったような流れになる。
共感共鳴しあうと、相手と同じ色に染まっていくみたいだ。
最近、欠かさず来てくれる塩野夫妻。
前回、娘に直球インタビューを受けた英雄さんに
妻の悦子さんをヒーローにしてもらった。
「とりあえず感謝の気持ちをもっている。それについてどう思う?」
「何か注文ありますか?」
まったくドヤ感がない。真摯に聞く姿勢がある。素朴な質問を受け流すことは出来ない。妻の悦子さんも涙目。
高崎から来てくれた小池秀明さん。地域のため、東北の被災地のため、「通りすがりのお節介」と言いながら、一肌脱いでいる。
初対面同士でペアを組んだ。「役にたったときはどんなとき?」という質問が、自分の活動を語る扉を開けた。「素晴らしい」と共鳴するリアクションが、他人事でなく自分事にしていく。
小池さんをこの塾に誘った安藤淳子さんは、以前川越塾に来てくれていた。小池さんのことは熟知していると思い、あえてペアを組んでもらった。「聞きたいことがあったんです」という開口一番の言葉が、扉を開けさせる。終始、笑顔で前傾姿勢が、ヒーロー気分にさせてくれる。
川崎市歯科医師会長の松山知明さん。松山さんのことを全く知らない初参加の河村公子さんにインタビュアーをお願いした。あけっぴろげな性格の河村さん、最初に「どちらのおじちゃんですか?」と切り込み、
自分のことをさらけだしながら、松山さんの家族事情を聞き出す。娘の結婚式の時は「ボロボロでしたよ」と本音を引き出す。
松山さんをよく知る歯科衛生士の長井昌子さんは、つかず離れすの程よい距離感を保ちながら、医師会長としての悩みを聞き出す。前夜痛飲したこぼれ話まで飛び出す。
女性の下着関連の仕事をしている小野陽子さんには、門外漢の安東義恭さん。下着選びのポイントを素朴に素直に聞いていた。自分がまったく知らないことを聞くとき、しったかぶりもせず、しらんふりもせず、
絶妙なさじかげんが大切。
もう一人、小野さんに男子がインタビュー。小平直さんは、リアクション名人だ。「喜びは人に伝えたくなるんですね」「仲良くなるためのツールなんですね」「学びがありました」…相手の話をよく聞きこんで、呟くようにリアクションする。受け止めてもらえる安心感があるから話しやすい。
イツモシズカニワラッテイル荒井公子さん。ふと気づくと、その場にいる
不思議な存在感がある。胸に秘めた想いのある人だ。幹事の小林尚子さんに聞いてもらう。長年参加している合唱団の発表会が近々あるらしい。淡々と聞きながら「やりたいことを貫いている」と大仰でなく褒められた荒井さん、嬉しそう。
さらに吉田玲子さんは、承る姿勢で伺う姿勢で、さらに合唱のことを聞いていく。穏やかな人と語らうと穏やかな気持ちになる。
今回で3回連続参加の鈴木章男さん。ほとんど表情を変えない人だ。
感情をあらわにしない人だ。だが、交錯する思いをしまっていることがわかる。その思いを話したら楽になるはずと、ゲストの木村まさ子さんに引き出してもらった。相対して最初の一言「たのしい?」で、鈴木さんの顔が綻んだ。キラキラした目で、笑顔全開の表情でうなづかれたら、鈴木さんにも、それは「伝播」する。鈴木さんがはにかんだような笑顔で饒舌に語った。
(夫が妻をヒーローにする)
(必然のペアになっていく…)
(前回に続いてオブザーバー参加の木村まさ子さんも
笑顔全開。この塾は勉強になると言ってもらえた)