パンダはどこにいる？ 動物園？ 図鑑の中？ それとも……？
みんなが大好きなパンダを一目見たいと、動物園の行列に並んだパンダ。でも、「パンダなんだから、パンダを見るためにならぶひつようはないですよ」と行列から押し出されてしまう。
がっかりしたパンダは、なんとか自分もパンダになりたいと修行を始める…。
いちばん大切なことは、自分という存在の素晴らしさに気づくことだと教えてくれる。
著者は、臨済宗円覚寺派管長の横田南嶺さん。数多くの禅についての著作はあるが、絵本は初めてのこと。
仏教では、仏になることを理想としている。
仏とは、慈悲の心に満ちた人格。
人は生まれながらにして、慈悲の心を持っているのに、
そのことに気づかず、外に仏を求めてしまう。
人も、仏の心を持っている素晴らしい存在だと気づいたら、
周囲の人に「やすらぎ」を与えることが出来る。
自分という存在が素晴らしい存在と気づくには、
日々の地道な積み重ねが肝要だ。
いわば「脚下照顧」ということを、
横田さんは絵本を通して、優しく諭してくれる。
