きょう12月13日は、「正月事始め」。
歳神様を迎える準備を始める日だ。
塾長は、冒頭の挨拶で、安岡家での習慣を語り始めた。
たいがい障子の張替えから始めた。
そういえば、ボクも幼い頃、障子の張替えを手伝ったことがある。
まず、障子を破くのが楽しかった。
木枠に張り付いた障子紙を、水気を含んだ布切れで拭いながら綺麗にしていく。木枠が乾くのを待って、木枠に刷毛で糊を塗る。そこに障子紙を皺にならないように綺麗に貼るのは、いつも父の仕事だった。
正月を迎える準備を時間をかけてすることで「待ち遠しさ」思いも日ごとに募っていった。
安岡家では、12月28日に正月飾りをした。
8が末広がりで縁起がいいからだ。
1月元日には、新しい下着を身につけた。
家族揃って、静かに雑煮とおせちをいただいた。
昔の人は、ハレとケ、特別な日と日常のメリハリを大切にした。
何事もメリハリが大事だ。
「一張一弛」(いっちょういっし)という言葉を教わった。
周の文王は、弓を張ったり緩めたりするように、人民に対して
「時に厳しく時に寛大な政治を行った故事に由来する言葉だ。
水戸に弘道館と偕楽園がある。
弘道館で道を弘めるべく学び、偕楽園で梅を愛でながら楽しく過ごす。
水戸藩九代藩主、徳川斉昭は、「一張一弛」の思いで、2つの施設を作った。
なにごとも、メリハリ、バランスが肝要だ。