論語知らずの論語塾82~習慣を守り伝える | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

きょう12月13日は、「正月事始め」。

歳神様を迎える準備を始める日だ。

塾長は、冒頭の挨拶で、安岡家での習慣を語り始めた。

 

たいがい障子の張替えから始めた。

そういえば、ボクも幼い頃、障子の張替えを手伝ったことがある。

まず、障子を破くのが楽しかった。

木枠に張り付いた障子紙を、水気を含んだ布切れで拭いながら綺麗にしていく。木枠が乾くのを待って、木枠に刷毛で糊を塗る。そこに障子紙を皺にならないように綺麗に貼るのは、いつも父の仕事だった。

正月を迎える準備を時間をかけてすることで「待ち遠しさ」思いも日ごとに募っていった。

安岡家では、12月28日に正月飾りをした。

8が末広がりで縁起がいいからだ。

1月元日には、新しい下着を身につけた。

家族揃って、静かに雑煮とおせちをいただいた。

昔の人は、ハレとケ、特別な日と日常のメリハリを大切にした。

 

何事もメリハリが大事だ。

「一張一弛」(いっちょういっし)という言葉を教わった。

周の文王は、弓を張ったり緩めたりするように、人民に対して

「時に厳しく時に寛大な政治を行った故事に由来する言葉だ。

水戸に弘道館と偕楽園がある。

弘道館で道を弘めるべく学び、偕楽園で梅を愛でながら楽しく過ごす。

水戸藩九代藩主、徳川斉昭は、「一張一弛」の思いで、2つの施設を作った。

なにごとも、メリハリ、バランスが肝要だ。