縁が縁を呼ぶ朗読会 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

まるで連想ゲームのように、縁が繋がっていく。

人生は縁で出来ているとつくづく思う。

京都と鎌倉に住む女性2人が30年前、スリランカで偶然出会う。

今日まで2人は、ずっと交流を続けてきた。

その縁で、鎌倉と京都を行き来する中で、

互いの住む場所がお気に入りになる。

その2人とは、山本香菜さんと月乃南さん。

 

山本さんが、京都・平野でギャラリーを開くことになった。

実は、その場所が、母方の祖父母の家があったすぐ隣。

「平野のおばあちゃんち」は懐かしい思い出いっぱいの場所。

そして母校・衣笠小学校もすぐ近く。これまたご縁。

山本さんとボクは、同窓生。

クラブハウスの朗読ルームを聞いていた山本さんから、

朗読会を開いてほしいと依頼があった。

「京都」「鎌倉」にちなんだ絵本を会場に展示するので、

絵本を推薦してほしいとも依頼された。

ぼくは、当然の如く「ぼちぼちいこか」を推薦した。

(マイク・セイラー作 ロバート・グロスマン絵 今江祥智訳)

 

「どないやねん?」「ぼちぼちや」

それでお互いすべてわかってしまう。便利なことばだ。

気張らんでもええ、ゆっくりやったらいいと安心出来ることばだ。

主人公はカバ。消防士、船乗り、パイロット、バレリーナ、ピアニスト、カウボーイ、綱渡り、水泳選手、バスの運転手、秘書、宇宙飛行士、チューバ吹き、手品師。

数えてみると13の職業に挑むが、すべてうまくいかない。

それでもええねん。ぼちぼちいったらええねん。

生きることが楽になる。

京都にゆかりの深い今江祥智さんの関西弁の翻訳が秀逸。

 

そして、京都と鎌倉についての想いも依頼されて書いた。

京都には10歳までいた。

いまだに京都駅に降り立つと、全身の毛穴が開き、嬉しくなる。

「千年の都」が自分の故郷だと思うだけで誇らしくなる。

「はよ、おかえり」と送り出してくれた母の言葉が蘇る。

通っていた衣笠小学校と祖母の家は、

「ギャラリー平野」のすぐそば。

鎌倉には、学生時代から、よく足を運んだ。

京都に通じるものがあるからだろうか。神社仏閣が多いからだろうか。

空気感が性に合うからだろうか。

そして、いま鎌倉FMの収録で月2回、鎌倉に「通勤」している。

 

会場で読んだ絵本も、京都や鎌倉ゆかりの作家さんのもの。

「ぼくらの江ノ電」は、鎌倉ナビの達人ナミさんのナビつきで朗読。

ライフワークのように読んでいる『二番目の悪者』もナミさんと読み分けした。

そして、和服姿で現れた日浦弘子さん。

彼女は、クラブハウスのご縁。

クラブハウスで、毎日のように朗読の技を鍛えている。

お願いして、京都の昔話から『ねずみきょう』を読んでいただいた。

市原悦子か長岡輝子かと思うばかりの独特の世界を築きつつある。

 

会場に来た方たちも、ご縁で結びついた人ばかり。

縁が縁を呼び、まあるい円になったよう。

 

「心に響く絵本たち」は、ギャラリー平野で25日まで開催中。

 

(中央が、ご縁結びの山本香菜さん)

(ギャラリー平野)

(左がムラカミ、右がナミさんの推薦絵本)

(日浦弘子さんは、京都の昔話を朗読)

(みなさん、ありがとー)