ちむどんどんする | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

朝ドラ「ちむどんどん」には、メモしたくなるセリフが多い。

特にお父さん役の賢三さんは、名セリフの宝庫だ。

 

ドラマのタイトルは沖縄のことばで「チム(肝=心胸・心)が高鳴る様子」「胸がドキドキする」という意味。沖縄のことばは、そのイントネーションが心地よく、思わず口にしたくなる。

脚本の羽原大介さんは、映画「パッチギ!」「フラガール」NHK朝ドラ「マッサン」などを手掛けてきた。

今年、本土復帰50年を迎える沖縄を舞台に、沖縄料理に夢を懸けるヒロイン・比嘉暢子(のぶこ)を軸に、本土復帰からの歩みを描く。  

生まれ故郷の村でサトウキビ農家を営む父の賢三役は、大森南朋さんが好演していた。三線を弾く姿などは、ウチナンチュそのものだった。たった1週間で出番が終わったのが残念だ。

賢三は、若い頃、大工や飲食業などの仕事も。農閑期には家族を支えるため出稼ぎ仕事に行くこともあった。時折、得意な料理の腕をふるい、唄三線をこよなく愛していた。 

 

賢三の名台詞を振り返る。

●初登場シーン。シークワーサーの実が取れず「学校では女らしくないって言われてるんだのに」と嘆く暢子に対して。

  「言いたいヤツには言わしておけばいいさ。暢子は暢子のままで上等。自分の信じた道を行け。まくとぅそーけー なんくるないさ。正しいと信じて筋を通せば、答えは必ず見つかるからよ」(第1話、4月11日) 

●沖縄そばを作っている時、味付けに挑戦する暢子に対して。

  「ここから先は暢子、自分で考えて『これが美味しい』と思ったものを出しなさい。自分を信じて作りなさい」(第3話、4月13日)

●飼っていた豚の「アババ」が郷土料理「ラフテー」として食卓に出され、ショックを受ける子どもたちに対して。

  「賢秀、黙って潰したのは悪かった。だけど、おまえたちも分かっていただろう。いつかは、こんな日が来るのを。生きているものは他の生き物、植物や動物を食べないと生きていけない。人間も同じさぁな。『頂きます』とは命を頂くこと。だから、きちんと感謝しながら、きれいに食べてあげる。それが人の道。筋を通すということさぁ」(第4話、4月14日) 

●那覇のレストランを訪れたとき。

  「美味しいもの、大好きな人と食べると、誰でも笑顔になるからな」(第5話、4月15日)

●妻・優子(仲間由紀恵)と子どもたちの寝顔をと見守りながら。

「いつか、話してやらんとな、昔のこと。子どもは不思議だな。何でもしてやりたいのに、肝心なことは何にもしてやれない。(第5話、4月15日)

 

毎朝、ちむどんどんしながら、見てるのさー。