NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。
今月17日放送の第15回「足固めの儀式」を見終わったあと、
しばらく息が詰まるような状態が続いた。
佐藤浩市さんが演じる上総広常が非業の死を遂げる展開に、
言葉を失った。
ドラマなのに、目の前で起きたことのように思えてしまった。
上総広常は、源頼朝の有力な御家人の中でも、ひときわ存在感があった。だが、自らの権力を絶対的なものにしたい頼朝の“陰謀”により、
御所で謀殺される。
そこにいた多くの御家人たちが頼朝に一斉に忠誠を誓ったシーンは、物語の1つの分岐点とも言えるものだった。
16回からは、いよいよ平家討伐に物語は動いていく。
広常は絶命する寸前、小栗旬さん演じる北条義時に笑顔を見せていた。 この笑顔について、演じた佐藤さんは、「『お前が俺になるんじゃねぇ』という思いがああいう笑顔になるんじゃないのかな」と話している。
脚本の三谷幸喜さんは「物語が本当に始まるのは頼朝が死んでから。頼朝が生きている時代はプロローグに過ぎない」と語っている。
三谷さんは、自身が手がけた作品が「史実無視とか荒唐無稽とか言われまくり」と言及した上で、 「歴史を描くことはもちろんですが、まず“ドラマ”であるべきというのが、僕の考え。エンターテインメントとして満足できるものをつくりたい」 という。
脚本に笑いを積極的に取り入れることについては、以下のように話す。 「鎌倉初期って怖い時代なんです。裏切りとか平気であるし、人もどんどん死んでいく。笑いがないとつらすぎる。やはり日曜の夜8時に家族で楽しめるものにしたいじゃないですか。そんなものはとっくに幻想になってしまっているかもしれないけど、それでも僕は大切にしたい。そういうものをつくりたい」
キャッチコピーは『予測不能エンターテインメント』。