葉祥明さん、舌好調 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

新緑の北鎌倉。

観光客も戻ってきた。

絵本作家、葉祥明さんに久しぶりにお目にかかりに行った。

『北鎌倉 葉祥明美術館』は1991年、東京から電車で1時間、緑豊かで閑静な場所を探し求めて、あじさい寺として有名な「明月院」や「円覚寺」など、歴史と伝統に息づく北鎌倉に開館した。

美術館自体が一冊の美しい「絵本」のようだ。画家で詩人の父親と、優しい夫人、そして10歳のリラちゃんと5歳のクロードくんの一家が住んでいた洋館というイメージで作られている。


広々とした緑の草原と透明感あふれる青空、ぽつんと描かれた家や木、人、動物たち…。やなせたかしさんに「空気を描く」と言われたその画風は多くの人の支持を集め、見る人の心に風を届け、優しい気持ちにしてくれる。

葉さんの水彩画、油彩画、デッサン、絵本が、「友人の家に遊びにいく」ようなリラックスした気持ちで見られる。

庭には大きな6本の“アメリカ楓”。季節ごとに白いアジサイや白いバラが咲く。心を癒し、安らぎのひと時を過ごせる場所だ。

 

いま、新刊原画展『しあわせの小径』が開かれている。

新刊の詩画集『しあわせの小径』は、開館30年経ち、初めて美術館にスポットを当てた作品だ。

緑豊かな北鎌倉の空気を感じ、北鎌倉駅から美術館に向かうまでのアプローチをイメージした言葉から、美術館に訪れて感じる葉祥明の世界を小さな本で表現されている。

その原画展を記念して、昨日、葉さんのミュージアムトークが行われた。葉さんの心は、晴れたり曇ったりするが、昨日は晴れみたい。舌好調だった。

 

来年、画業50周年、75歳のはずなのに、59歳という。

会うなり「ごじゅーく」という。

何かと思い、尋ね返すと、

「コロナ、ウクライナ、じんましん、花粉症、後期高齢者」の五重苦だというのだ。いささかシニカルな物言いだが、鎌倉に来ると気が晴れるという。東京は「苦」、鎌倉は「楽」。苦だけでもよくないし、楽だけでもよくない。苦楽のバランスが取れていいのだそうだ。

 

葉祥明さんのインタビューは、

鎌倉FM「ナミの鎌倉ナビ」で、5月18日13:30~放送予定。

 

(鎌倉FM 朝比奈社長、北村局長と)