たんば女性STORY139~2度の罹災証明 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

北村久美子さんは、2回も罹災証明を受けた。

1度目は、1995年の阪神淡路大震災。

当時住んでいた神戸市灘区の自宅が全壊した。

2度目は、2014年、市島町の豪雨災害。

神戸から移り住んだ家が浸水被害を受けた。

その2つの体験を語り継ぎながら、地域活動に熱心に取り組んでいる。

災害FMの頃から、放送にも関わり、今も「きたむぅ」という名で、

夕方のワイド番組のDJも務めている。

 

結婚して神戸市灘区に暮らしていたが、1995年、 阪神淡路大震災で自宅が全壊した。当時、夫、5歳の長男、3歳の長女の4人暮らし。 

つてを頼って市島町で避難生活をすることになったが、そのまま移住した。地元のお母さんたちと、環境の勉強をしたのがきっかけで地域活動を始めた。界面活性剤を使わない石鹸の共同購入、水生生物の調査、ゴミレンジャーなどの活動を実施。 

児童虐待防止プログラム「CAP」の活動にも取り組む。

丹波地域の男女共同参画についても勉強し研修会の講師もした。

デートDVの防止授業の講師活動にも参加。

兵庫県のまちづくり事業にも協力。

マルチな活動をしている地域の顔だ。

 

2回の被災体験をもとに、防災授業にも取り組んでいる。

“自分ごと”として防災を考えてほしいと、ゲーム型の防災ワークショップを小学校で始めている。

児童たちが避難所のリーダーになるという設定で、チームごとに話し合いながら、安心できる避難所をつくるというもの。

静岡県が開発した避難所運営ゲームをベースに考案した。

ワークショップでは、体育館を避難所として想定。

事前に、学校の備品で使えそうな物をリストアップしておき、「地域の人が避難してくるためには何が必要か」を考えた。  

続いて、被災者家族10組について、年齢、国籍、性別、ペットの有無、けがの様子など、それぞれの事情が詳しく書かれたカードを配り、家族ごとに避難所内にどのように居場所を割り当てればいいかを話し合った。 「赤ちゃんが泣くかも」「足を捻挫している人はどこにいてもらうのがいいか」など、具体的で活発な意見が飛び交い、タブレット端末に配置を書き込んで、クラスで意見を共有した。

 

北村さんは、震災当時、3歳だった娘が倒れてきた土壁の下敷きになり、土壁を掘って助け出した。

震災から10年目、丹波市内の小学校で初めて震災体験を伝えた際には、さまざまな思いがこみ上げて「自分でもびっくりするぐらい号泣した」という。 

2014年8月には、住んでいる市島町前山地区が甚大な豪雨災害に見舞われた。自宅は幸い床下浸水で済んだが、流れてきた土砂で玄関がふさがれ、避難所生活をした。

「またも“生かされた”のだから、お役に立とう」と、被災者でありながら、ボランティアセンターで世話人として奔走した。

東日本大震災後、ボランティアとして定期的に宮城県の被災地にも通っている。

防災をはじめ、ジェンダー、福祉、地域づくり、婚活支援など、さまざまな社会的活動に精力的に取り組む北村さん。

「今の私をつくったのは、突き詰めれば、やはり『1・17』だったかなと思う」と振り返る。

 

北村久美子さん出演の「たんば女性STORY」は

4月19日、26日20:00~、

その週の土日10:00~、FM805で放送予定。

インターネットサイマルラジオなら、日本中世界中で聴ける。

鎌倉FMでも毎週水曜14時から放送されている。