りょうちゃんの笑い声は、その場の氣を晴らしてくれる。
どしゃぶりの雨をたちどころに快晴にしてくれる笑い声だ。
その笑い声に魅せられて、ことば湯のゲストにお招きした。
りょうちゃんは、今でこそ笑えているが、
笑うことが出来なかった時期もある。
その時期は、決して短くはなかった。
生まれつき、左耳が聞こえない「一側聾」という障害がある。
母親に「あんたなんか生まなきゃよかった」と言われ虐待を受けてきた。自宅に居場所がなかった。
ミカン箱のステージで「雨の御堂筋」を歌う幼児だった。それがまた親の癇に障った。
肺炎や交通事故で4回も「三途の川」を見た経験がある。
中学3年生の時、自らタレント活動に入る。芸能事務所に所属し、CM出演やドラマの端役を務めた。「関西弁が抜けない使えないヤツ」と大根役者のレッテルを貼られた。ここも安住の場ではなかった。
酒の席で意気投合し、結婚した相手との間に、3人の子を授かった。
だが、夫は、しだいにDVやモラハラが激しくなっていった。
調停は難航したが、ようやく離婚し、ジングルマザーとして、スーパーで働きながら、22歳の長女、高3の長男と中1の次男を育てている。
だが、なかなか神様は、安住させてくれない。長女に脊椎空洞症という難病が見つかったのだ。
次から次に襲い来る試練。だが、りょうちゃんは挫けない。
置かれた状況を俯瞰して見るようにしている。
その上で、「自分が決めたことを信じて突き進む」。そのことを「自分との約束」にしている。
これまでの人生も、その約束に従ってきた。
それともう一つ。「にもかかわらず笑うこと」。
どんな状況でも笑いを忘れない。
しかも、声を立てて笑うと淀んだ空気が払われる。
笑いが、どしゃぶりの人生に快晴をもたらしてくれた。
りょうちゃんとは、「一語一笑」というルームを開くことになった。
今月18日21時スタート。
彼女の笑い声で、人生好転の場にしてもらえたらと思う。
(年末に大阪で会ったときのスナップ)