新年最初の「ことば湯」。
新年に相応しいゲスト、
狂言師の茂山千三郎さんにご入浴いただいた。
2020年12月、茂山千五郎家からの独立を宣言して、
周囲を驚かせた。
前例のないフリーランス狂言師となった。
組織の有難みはわかった上で、「茂山千三郎」というブランドで、自由にやりたいことを貫いてみたかった。
父は、人間国宝の四世茂山千作。
狂言の道を歩むのは、自然のなりゆきと思えるが、
高校は理系。古典の成績は2だった。
電気関係の仕事に就こうと思っていたが、
大学受験直前になって急遽進路変更し、大阪芸大に進んだ。
そこで、劇団新感線の古田新太や橋本じゅんと知り合い、
演劇や舞台のことを吸収した。
狂言の枠に収まりきらない活動は、その頃に培われたものだ。
狂言の3要素、発声、所作、呼吸を外さなければ、
どんどん新機軸を打ち出したいと思っている。
これまでも新作狂言を発表してきたが、
「ことばのない狂言」や「笑わない狂言」も作ってみたいと思っている。
小6小4の娘、小2の息子のシングルファーザー。
子どもたちの弁当も作ってきた。
長男の郁馬くんは、去年東京で、「靭猿」を披いた。
狂言の修行は、猿に始まり狐(釣狐)に終わるという。
スタートラインに立った息子の姿を見て感涙したそうだ。
今月14日、京都金剛能楽堂で、再び「靭猿」で親子共演をする。
ルームの最後に「大笑い」の無茶ぶりをした。
高らかなおおらかな「大笑い」で、場が清められたような気がした。
笑いは免疫力を上げるし、不安を吹き飛ばす。
今年も、何が何でも、何もなくても、大きな声で大笑いしたい。