崑ちゃんのトークは、ノンストップ。
止まらないから、止めようともしない。
一つ一つの話が面白いから、引き込まれる。
まさに語り芸の世界。
ドサ周りのキャバレーのMC、ヌード劇場の場つなぎコントを経て、
映画や舞台の場数を踏んだ喜劇王だ。
湯水の如くことばは溢れ出てくるのは、あたりまえのことだ。
だが、崑ちゃん、この2年近く、ご多分に漏れず「しゃべる仕事」が皆無だった。だから「水を得た魚」になったのだ。
崑ちゃんは、若さを保つための秘訣の「かきくけこ」があると言う。
か:感謝する、感動する
き:興味を持つ
く:工夫をする
け:健康でいる
こ:恋をする
どんなことも面白がって、たとえ嫌なこともユーモアにくるんで、生きることが、老けこまない秘訣だ。
4年前から熱心に通う『ライザップ』効果はテキメンだ。
前半は、トレーニングウェア姿で現れ、その効果のほどを実演で見せる。役者魂で「悪い姿勢」を見せながら、段階的に「良い姿勢」になるコツも教えてくれる。元気ハツラツの理由は、オロナミンCだけではなかった。
結核で片肺をなくし、医師から40歳まで生きられないとまで言われた。目も片方見えない。耳も片方聞こえない。
58歳のとき大腸がんになった。人一倍、健康に気を配るゆえんだ。
後半はスーツ姿に着替えて登場。妻の瑤子さんとの馴れ初めを聞く。
大阪のテレビ局で出会った崑ちゃんが一目惚れ。食堂の箸袋に住所を書いてもらい、それから攻勢をかけて結婚した。だが、亭主関白と嫁姑問題に疲れた瑤子さんが、家出してアメリカまで行ったこともある。
紆余曲折あったが、62年連れ添ってきた。
イタリア好きな瑤子さんは、60を過ぎてから毎年、イタリアに行った。現地で磨いたイタリア語で、カンツォーネを歌う。
だが、コロナ禍と声帯手術も重なり、2年近く人前で歌っていない。
リハーサルでは、声がほとんど出ていなかった。しかし本番になると、
見違えたように声も出て、のびやかに歌い上げ感動の拍手を受けた。
我が真友、高野登さんが言い得て妙な表現で、トークライブを活写していた。「頭脳明晰、明朗快活、活舌最高、体力充実。とてもじゃないが、敵わない。なにせ、前半のトークには、ライザップのウェアで登場。若いトレーナーを『スーパーマン』と呼び、愛ある信頼関係を築いている。
カンツォーネ歌手である妻の瑤子さんも愛情出演。素晴らしい歌声を披露。それを見つめる崑さんの目の優しいこと。こちらのハートも温まってきました。
仕事もプライベートも、順風満帆だけじゃなく、波乱万丈なこともあったでしょう。それを乗り越えてきた人にしか備わらない風格と眼差しにノックダウンされました。生き方、在り方の素晴らしいお手本が目の前にいる。・・・まだまだだな・・がんばろう・・(^^;)」。同い年の感想に共感納得。
大河ドラマ『西郷どん』で、崑ちゃんは、隆盛の祖父役を演じた。
その時共演した子役の斎藤沙鷹(たいよう)くん(11歳)を、本当の孫のように可愛がっている。会場に来てくれた。
彼の感想。心に残ったことは…「じいじの姿勢の良さ、90とは思えない元気さ若さ。じいじの奥さんの歌のうまさ」
今後、ゲストに呼んでほしい人は「ボク。ちゃんとした役者になったら、ぜひお願いします」には、思わず噴き出した。
(崑ちゃん節は、どこまでも快調)
(前半は、ライザップトレーニングウェアで)
(柔軟ぶりを披露)
(愛情出演の瑤子夫人)
(瑤子さんを見つめる目が優しい)
(斎藤沙鷹くん)
(崑ちゃんの希望で、全員と記念撮影)