過日、篠笛神楽笛奏者の秋吉沙羅さんのコンサートに行ってきた。
演奏もさることながら、トークにも磨きがかかっていた。
ワクワク、ウキウキしていることが、伝わってくる。
だから、こちらもワクワクウキウキしてくる。
コロナ禍の中、アーティストたちは、演奏の場を奪われたままだ。
コンサートを決行するかしないか、ギリギリまで気を揉む。
仮に演奏の場があっても感染対策に気を使う。
人数制限も求められるから「赤字覚悟」の開催になる。
だが、オンラインではなくリアルで演奏出来たときの喜びは一入だろう。共演者との阿吽の呼吸、観客の反応が、演奏に影響を与えないはずがない。この日の沙羅ちゃんの弾んだ思いが痛いほどわかった。
三日月の日。重陽の節句の日のコンサート。
「荒城の月」「月とダンス」「Fly Me To The Moon」
月にまつわるセレクトもよかった。
「旅愁」「里の秋」も、心に染み入る。
「青龍」や「龍の目醒め」では、また龍が舞った。
それにしてもトークの面白いこと。
オンナさだまさしかと思うほど。
あっちに飛び、こっちに飛ぶ話を聴いているほうも、
一緒にあっちに飛び、こっちに飛ぶ。
自分で何を言っていたかわからなくなるときは、
思わず「愛の手」を入れたくなる。
計算されていないトークと、綿密な演奏の
ギャップも面白い。
秋吉沙羅は癖になる。