将棋界を席巻する藤井聡太は、考えて考えて考える人でもあるが、
考えられる人でもあると思った。
藤井さんのことを「63歳離れた友人」と呼ぶ丹羽宇一郎さんとの対談を興味深く読んだ。
丹羽さんといえば、かつて伊藤忠商事の社長にするやいなや4000億の不良資産を処理し、伊藤忠を救った人だ。民間初の中国大使にもなった。政府の諮問機関の要職も歴任した。大の読書家でもある。
そんな経歴のある人を前にしても、藤井さんは、何ら気おくれすることなく、渡り合っている。丹羽さんの問いかけにもよく吟味して言葉を選択して答えている。丹羽さんの博識にも、しっかりと応じている。丹羽さんの世界観についても考えを巡らせることが出来ている。スゴイ19歳。
丹羽さんは、藤井さんを、高く評価している。
●打てば響くような思考をする人
●純粋で、自然体
●10代ながら、自分なりの哲学や人生観を持っていて、ぶれない
●困難を乗り越える力を持っている
●誰よりも深々としたお辞儀をする 他者への尊敬の念
●飽くなき探求心 勝つことや記録を作ることを目的にしていない
●結果を引き受け、責任を取る覚悟がある
●経営トップの3条件 負けず嫌い 忘れる力 孤独の力
藤井さんにも備わっている
●未知の局面に遭遇して、考えに考えて乗り越えるのが楽しい
本人の弁
●将棋が好き 指したくない、駒に触りたくないと思ったことはない
●経験したことのない局面を考えるのが楽しい
●悔しさを全部自分で引き受けて、自分自身が強くなっていくしかない
●調子が上がらないときも淡々と続ける
●自分の弱点を自分で把握して改善出来る
●棋風は弱点になる可能性もあるから意識しない
●結果を意識せず、すべての局面で「次の一手」を意識する
●自分の目標は、相対的でなく絶対的
●少し悲観しているくらいが勝負に集中できる
●これまでとは違う景色を見るために強くなりたい
●「無極」の如く、
どこまでも極まることのない成長に向けて努力を続けていきたい。