丹波市春日町の料亭「辻判」は、創業202年の老舗だ。
接待や宴会で、地元の人たちの贔屓の店だった。
だが、去年のコロナ禍で、客足がパッタリ途絶えた。
六代目女将の上田裕美(ゆみ)さんが着物姿で接客したのは、
去年、数回だけ。閑古鳥が鳴き始めていた。
家族会議を開いた。
とんかつや、ラーメン屋への業態変更、廃業も視野に入れた。
だが、先祖伝来の店を、自分の代で終わらせるわけにいかない。
ふと、浮かんだのが鰻だ。
鰻の専門店は丹波市にない。
鰻なら、テイクアウトのニーズもある。
鰻なら懐石と違い、専門特化して事業承継しやすい。
下ごしらえ、多品目の調理をしなくてすむ。
もともと鰻は懐石の締めに出していた。秘伝のタレもある。
メリットは十分だった。女将は鰻専門店へもギアチェンジを決断した。それが今年4月20日のこと。6月16日には、リニューアルオープン。
噂を聞き付けた人が次から次へと来店。
閑古鳥は何処かへ飛び去った。
絶え間ない客足に嬉しい悲鳴をあげ続けている。
スキー、ソフトボール、ハンドボールと体育会系。
料亭で鍛えたカラオケは玄人はだし。
NHKのど自慢で合格の鐘も鳴らした。
明朗快活、物おじしない性格は、接客にピッタリだ。
鰻専門店への方針転換を微に入り細を穿つ話しっぷりは、
情景が浮かび、その場に一緒にいるような気持ちになる。
2回では足りず、急きょ3回に分けてインタビューした。
上田さん出演の「たんば女性STORY」は、
8月31日、9月7日、14日20:00~、
その週の土日10:00~、FM805で放送予定。
インターネットサイマルラジオなら、日本中世界中で聴ける。
(うな重 半尾 二尾食べた人もいるらしい)
(うざく、う巻きも美味)