クラブハウスで下間都代子さんの声を聞かない日はない。
下間、しもつまと読む。
読みにくいが、覚えてもらいやすい名前で得もしている。
日本道路交通情報センターのMCをしていたとき、何度となく
「しもつまでした」と名乗ったことで、認知度が高まった。
阪急や京阪の車内アナウンス、CM、番組や展示映像のナレーションで、彼女の「声」は有名だ。
独特のアルト声をベースに七変化どころか、求めに応じて
色とりどりの声を出せる。
ボクも、ナレーター下間都代子の声に参ってしまった。
最初に声を聞いたとき、
「まとわりつくようなエロティックボイス」と形容したが、
声でハグされているような「包容力」がある。
ご本人曰く、「特に頭がいいわけでもなく、顔が綺麗なわけでもなく、
人気が高いわけでもない自分のことをコンプレックスの塊と思っていた」。そんな都代子さんが中3のとき、校内放送をやることになり、
短いアナウンスをしたところ、話したこともない先生に呼び止められて
「いい声してるね。アナウンサーになれるよ」と言われた。
先生にしてみれば、なんの気ないひとことだったのだろうが、都代子さんの心に灯がともった。ことばは人の人生を変える力を持っている。
都代子さんが、声を生業にすることになる原点がここにある。
実は、都代子さんの人生、順風満帆だったわけでない。
家族の中に、様々な問題があった。
理不尽なことや、割り切れないことに巻き込まれたこともある。
その出来事が、彼女の抱擁力のある声に現れているような気がしてならない。声に磨きをかけたように思えるのだ。
辛いこと、哀しいことを胸に秘め、人が喜ぶことをして、
家族を救えなかった忸怩たる思いを少しでも和らげたいという
都代子さん。ますます彼女の声のとりこになりそうだ。
下間都代子さんの3つの縁を聴く、シャナナTV『縁たびゅう』。
最初の配信は、10月4日(月)からの予定。
11:30~と20:30~の毎日2回配信。
翌週からは、YouTubeで、いつでもどこでも見られる。