しっかり聴いて、しっかり伝わる | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

和ごころ大学第32講。「和みのことば探し」第3講は、 

京都まで白駒学長にお越しいただき、zoom発信した。

今回は、「伝える」と「伝わる」の違いと、「聞く」と「聴く」の違いについて講義した。

受講生への事前アンケートに基づきながら話した。

途中、「黒駒」妃登美さんの本音に迫るインタビューもした。

 

●「伝える」と「伝わる」の違いについて

伝える 一人称

伝わる 二人称以上

 

伝える はっきり、くっきり

伝わる ぼんやり

 

伝える 相手お構いなし

伝わる 相手の心に届く

 

伝える 自分目線

伝わる 相手目線

 

伝える 能動的

伝わる 受動的

 

伝える 言い手の認識

伝わる 聴き手の認識 聴き手の阻喪は、言い手の阻喪。

 

皆さん、素晴らしい。違いも認識しているし、伝わるような努力もしている。聞くと聴くの認識の違いも理解している。

いま、誰に何を聴いてみたいかと問うたら、

一つユニークな回答があった。

●半年後の自分に「オリンピックは無事行われたか」聞きたい。

●1年後の自分に「コロナは収まりましたか」と聞きたい。

●3年後の自分に「株価は暴落していませんか」と聞きたい。

●10年後の自分に「決算書はどうなっているか」聞きたい。

●30年後の自分に「良い人生だったか」聞きたい。

 

インタビューの公開模擬にもトライした。

白駒さんが自分でよく言うブラックな部分「黒駒」を引き出そうという試み。「今朝何食べましたか?」から始まり「食べ物の好き嫌い」「人間の好き嫌い」「歴史上の好き嫌い」としだいに的を絞って聞いていったが、

いささか恣意的であったかもしれない。

インタビューは、インプットの楽しみがあるが、相手の本音に迫るのは難しい。自分が聞きたいことだけ聞いても仕方ない。相手が聞いてほしいことを聞かねばならない。いかに相手の心を察知するか。そのためには、相手のことばを一言たりと聞き逃さないようにしないと。

 

副学長としての役割が果たせたのかどうかはわからないが、

3回合計6時間にわたって、「和みのことば探し」について自問自答する機会をいただき感謝に堪えない。