ひきたよしあきさんの「質問力」 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

東京ことば磨き塾。

ことばのスペシャリスト、ひきたよしあきさんをお招きした。

博報堂で長年にわたり、コピーを編み出してきたひきたさんは、

「ことばの宝箱」を持ち合わせている。

 

独立してからも、多忙な日々を送っている。

多忙な中に「スピーチライター」という仕事がある。

政治家や経営者のスピーチを代筆する。

代筆するためには、

その人の性格や信条、感性などをよく知った上でリライトする。

だが依頼者は多忙を極める人が多く、

ゆっくり話を聞いている暇がない。

そこで短い時間に本音を引き出す「質問力」が問われるわけだ。

 

塾生たちに、ひきたさんの「質問力」を体感してもらおうと、ボクに1時間のロングインタビューをしてもらった。そのやりとりを聞きながら、塾に参加した藤川由樹さんが、「いい質問のための20か条」として、うまくまとめてくださったので、引用する。

1. この人の原点は何か (生い立ち、名前の由来など)

2.  人生でのマックスは?(充実感を感じた時は)

3.  始まりと結びを繋げていく

4.  予想したことを押し付けない

5.  相手の主体性を奪わない

6.  詰問しない ゆったりと 相手は自分の写し鏡

7.  アイスブレイクで少し笑えたらいい ほっこり 緊張緩和

8.  第一問は共通項から入る(天気でもいい)

9.  振っていくことも大事 その日その時

10. まず話し手の話を聞いてから質問を考える

11. 感心の合いの手「へ~」だけでもOK。

12. 話したくないことは絶対深追いしない

13. 信頼関係が大事

14. 相手が心を許す質問を第一義に あなたに興味がある証拠

15. 呼称一つで、話す内容変わる おとうさま?おとうさん?パパ?…

16. 「動詞」にその人が現れる ex.磨く、撒く

17.  ネガティブな言葉が出るのが人間 ポジティブに変換する努力

18.  キャッチフレーズを作らない 「絶対」は絶対使わない

19.  レッテル貼りはフリージングワード 

20.  指を折りながら、相手の3つのキーワードを覚える

 

いやはや、さすがの質問力。

ボクの扉が次々開いた。

いちばん感心したのは「せきとめ力」。

ボクが話したことをメモもとらずに聴いて、そこに出てきたキーワードを

生かして「二の矢」が来る。

思いもかけない方向から弾が飛んでくることもある。

作戦を立てて臨んでいるだろうに、予定調和を感じさせない。

インタビュー終わりのボクの第一声「気持ちよかった!」

だって、ボクの気持ちに寄り添ってもらえ、

共感共鳴してもらえたんだから。

相手に対する興味と好奇心を掻き立てることが「質問力」を鍛える。