高野登さんのオンライン話術 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

川越ホスピタリティ塾。

高野登さんの講義をオンラインで拝聴した。

テーマは、『ウイズコロナ時代にこそ必要なホスピタリティ』。

 

オンラインなのに、すぐ傍らにいて話しかけているよう。

zoomというデジタルを使いながら、

手書きのフリップを使うという手法は、ご本人曰く

「ハイブリッド方式」らしいのだが、これが結構いいのだ。

パワポであれこれ指示されても、一向に脳内に定着しないのだが、

高野方式は、脳内に印象づけられるのだ。

フリップに高野さんの直筆で書かれたことばも

箇条書きでなく、高野さんの経験に基づいた「具体」だ。

エビデンスとエピソードの両方があるから説得力もある。

陽だまりで横丁のご隠居さんが、目を細めながら、優しい口調で語る。

この雰囲気に引き込まれ、まったく飽きさせることがない。

 

大学ノート8ページにわたり、メモしたことから抜粋。

コロナ禍は、人間関係のリトマス試験紙。

いろんなことをあぶりだしてくれる。

想像力を磨くいい機会。アナロジー思考を駆使して。

あの人、あの会社、あの場所。「あの」がつく存在にならねばならない。

「あの」はブランディング。

 

オンラインの中で「ことばの力」が大切になっていく。

ことばをいかに磨くか。自分のエネルギーをことばに傾けていく。

同じことを繰り返し言っても伝わらない。

言い方を変えないと、いつまでも伝わらない。

相手のミットを外していたら、いつまでも伝わらない。

心のミットを意識してことばを投げるのがホスピタリティ。

食べたものが身体を作る。聞いたことばが心を作る。

発したことばが未来を創る。

伝わるか否かは、信頼されているか、尊敬されているか、好意を持たれているかにかかっている。

あなたという存在の何が周りの人を幸せにしているか。

それに尽きる。

 

どの話も、共感することばかり。

アニキと考えていることが近いことに喜びを感じた。

ボクが話すと熱量が高くなるが、高野さんの「淡々調」は、

大いに参考になる。なかなか真似は出来ないが、

横丁のご隠居さんを目指そうかな(笑)。

 

講義を聞いていた石坂産業の石坂典子さんの感想がスゴイ。

「自分に足りないものに気づかされ反省することばかり。

だけど、この反省をエネルギーにしたい!」

反省すら、明日の糧にしていく典子さんに脱帽。

 

(下の段が、石坂典子さん)