たんば黎明館で開催された「たんばときめきカルチャースペシャル」。博多から白駒妃登美さんをお迎えした。
本能寺の変は、なぜ起きたのか、参加した方々と一緒に考えた。
まず、白駒さんは、初めて訪れた丹波の地を絶賛した。
山並みを見ているだけで穏やかな気持ちになれる。
敵方であった明智光秀の治世を受け入れる温かい土地柄というのも
素晴らしいという。丹波攻略に成功したあと、税金免除や治水事業などに取り組み、おざなりの政治はしなかった。
さらには、家族や部下を大切にする人だった。白駒さんにとっては、戦国時代の武将にしては珍しく側室を持たなかったことが好感度高い。
知的なセンスにあふれ、理詰めでものを考えるタイプの光秀が、なぜ謀反を起こしてしまったのか…。
ボクの知人で「明智君の気が向いたから」と冗談を言う人がいたが、
会場にも「勘違い」という人がいた。
気が向いた、気が変わった、勘違い…原因を一筋で推理出来ない中、
あながち当たらずとも遠からずかもしれない。
信長非道説、野望説、朝廷黒幕説、長宗我部元親黒幕説、突発行動説…それぞれ確証に乏しい。会場から「秀吉黒幕説」が楽しいという声も上がった。実直な光秀を唆した輩がいたとしてもおかしくはない。
積もり積もった想いが重なり、起きてしまった事件ではないかという意見もあった。
そして、満を持して、白駒さんの推理。それは「天命説」であった。
天正10年6月2日。
あの日は、新月。闇夜が軍勢の姿を包み隠してくれた。亀山から気づかれることなく移動出来た。
あの時、信長は、丸裸同然の無防備な状態で本能寺にいた。
そればかりか、長男の信忠も二条城にいた。信長だけ誅しても、信忠がいれば織田の血は受け継がれる。織田親子を同時に葬ることが出来る機会を天が用意してくれていた。
天の時、地の利、人の和というが、すべてが絶妙のタイミングで揃っていた。またとない好機だった。
天命にもとづく行動と考えると合点がいく。
会場も、深くうなづいていた。
歴史好きの友人に誘われて参加したが、きょうをきっかけに歴史に興味を持ち、新しい世界を広げたいという人がいた。
こういう感想が嬉しい。
白駒さんの明るい語り口、優しい語り口に、明るい気持ちになれたという人もいた。
400年以上前の日本史上、謎の事件を紐解きながら、明るい気持ちになれるところは、白駒さんの人柄によるところが大きい。
(主催の「まちづくり柏原」の土田光一さんと)