文化放送「日曜はがんばらない」収録。
スタジオは、ボク一人。
鎌田先生は、長野県茅野市の自宅からリモート出演。
リモートとか、オンラインとか、zoomとか、
コロナウイルスの影響で、世はAI化に拍車がかかっている。
「オンライン帰省」ということばも生まれたが、
離れていても繋がることも出来る。
インターネットが使えなくても、電話や手紙という手段もある。
デジタルが使えなくても、アナログでも大丈夫。
「ひとりじゃないよ」と、支え合うことは出来る。
この日の収録では、「ボクたちの好きな日本人」を紹介した。
感染症と関わりのある2人の人物。
一人は、古井喜実(よしみ)。池田内閣の厚生大臣。
ポリオワクチンをソ連から輸入することを決断し、流行を鎮静化させた。冷戦下のソ連から輸入する反対論を押し切った。「平常時なら守らねばならない一線を越えて行う非常対策の責任は、すべて私にある」と英断した。日本社会を守るという視点で公衆衛生を考え、リスクを考慮した上で、超法規的措置を取ったのだ。いまこういう肚の据わった政治家がいるだろうか…。
もう一人は、北里柴三郎。破傷風菌の純粋培養に成功した。
ペストも発見した。
ネズミを駆除するため猫を飼う運動も展開した。
そのおかげで漱石の『吾輩は猫である』も生まれた。
また家庭で体温を測る習慣も北里が広めた。
官僚や国に研究を遮られた北里を物心両面で支えたのは、福沢諭吉だった。当時の日本には、国家に頼らず、独立自尊の精神で、世界に誇れる予防医学に取り組んだ人たちがいたと思うと誇らしくなってくる。
『日曜はがんばらない』は、4月から日曜朝6:20に引っ越した。
時間帯が変わってから、朝6時台の聴取率調査で、各局と比較しても大変好調らしい。嬉しいニュースだ。
鎌田先生とともに、温かい眼差しで命に寄り添う放送をしていきたい。