「日月神示」は、予言書でも宗教書でもないと思う。
日本人が受け継いできた精神性を見つめ直し、
生き方の指針を示すものであると思う。
「日月神示」は、昭和19年、千葉県にある麻賀多神社の境内を訪れた
天性の画家、岡本天明さんの腕が自ずと動き「文字らしき」ものを書いたものだ。文字らしきものというのは、数字と仮名、記号が並び、一見判読不可能だが、ある種の法則性があって、その後、解読され伝えられてきた。
日本と世界に関する予言めいたもの、人として歩むべき道、政治や経済の在り方、健康を確立する方法などが、時に具体的、時に抽象的に書かれている。最先端の量子力学に通じるような内容もある。いまのコロナウイルス感染を予見しているようなところもある。
その日月神示の中から100項目を選び、わかりやすく解説した『はじめての日月神示』を興味深く読んだ。ボクの感想を交えながら一部を紹介する。
●まず、自分の道は自分で歩み、自分で開くものと書かれている。
いわゆる神頼み、依存心を改めねばならないと説く。これをもっても宗教書でないことがわかる。
●自分に課せられた仕事を精一杯頑張る。世のため人のためになることが仕事だという。当たり前のことなのだが忘れてしまいがちなことに釘を刺してくれる。
●「自分に降りかかる一切のことは最善のものと思いなさい」。良いことも悪いことも自分が引き寄せたこと。自分の内側から見方を変えたら、道が開ける。そして「善いと感じたことを直ちに行う」ことが魂磨きに繋がる。「一切よくなることしかない」のが本当の道。
●人を恨まず、うらやましからず、人の気持ちを察する心配りをし、人を立てる。そういう感性は、もともと日本人に備わっている。
●清らかな生き方をしながらも富み栄えるのが本当。金儲けだけでも信心だけでも立ち行かない。渋沢栄一の「道徳経済論」に通じる話だ。
●口は慎まねばならない。口に入る食物、口から出る言葉に氣をつけることで運気は増す。
●腹八分、身土不二で一日二食、早起きの励行、太陽を拝むことなどを続けていけば、「嬉し嬉し」の別次元の自分に昇華出来る。ただひたすら「喜びの行為」を積み重ねていけばいい。
●真面目くさって固くなってはいけない。笑いを忘れてはならない。
●この世で天国に住めないものが天国にはいけない。人生の天国化、地上の天国化は、人間の大きな使命だ。
●肉体は魂を包んでいる入れ物。肉体は少しの間のものだが、魂は限りなく栄える。「死」と呼んでいるものは、入れ物から抜け出ることだけで、本当の死というものはない。
●奇跡がないことが大きな奇跡。何事もなく無事に過ごせることが大きな奇跡。
●地球の大変動を予見させることも記されているが、人間の心次第、行い次第で未来を変えることも可能だとも書かれている。世界の大難を小難に変えることが出来る。いま起きていることがまさにこれにあたるのではないか。
いざというときに本当の肚が出来ているか試されている。悪い予言は嘘にしたい。自分だけが助かればいいという考えは捨て、日々の生活で最善を尽くすことが大切だ。そうすれば自然に善い結果がもたらされる。
●地球の大掃除の時期が迫っている。待ったなしのところまで来ている。気候変動や天変地異は、人間の邪気が凝り固まって起こすもの。人間は謙虚に自然の言葉に耳を傾けねばならない。
ある意味、あたりまえのことが書かれている。あたりまえなのだが、本末転倒、人間が忘れてしまっていることを呼び覚まさねばギリギリのところに来ていると警鐘を鳴らしている。いま目を覚まさないと、地球を我が物顔にしている人間に鉄槌がくだされる可能性がある。
だが、著者の中矢伸一さんは、こう結んでいる。
「より多くの人が自分の中に天国を作れば、意外に簡単に地球社会は天国化されていくのではないでしょうか」と。
いま、ラストチャンス。