コロナウイルスが教えていること⑧~ことばひとつ | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

全国8ケ所で開催している「ことば磨き塾」も、いまは自粛中。

だが、塾生たちは、嬉しいことば使いを忘れていない。

LINEで、自粛にもかかわらずよかったことを聞いてみた。

●反抗期の子どもが、学校も塾も休みでゆとりが出来たのか優しくなり、料理にハマって、夕食の用意をしてくれた。なんと鯛のお刺身まで。ただし、将来は、包丁を持つ板前でなくメスを持つ外科医になりたいらしい。

●焼夷弾が落ちてくるわけでもなく、防空壕に避難するわけでもなく、

家にずっといるだけなんだから有難いこと。

●義父と一緒に過ごす時間が増え、会話も増え、よりよい関係になれた。

●あたりまえだった幸せに気づけた。

●雑巾がけが日課になり、家がピカピカになった。

●友人知人に手紙が書けてよかった。そんな時間が持ててよかった。

●ミシンを久しぶりに使い、子ども用マスクを手作り出来た。

考え方一つで、ステイホームがエンジョイホームになる。

 

いま大型連休中の帰省や旅行の自粛の呼びかけが行われている。

しかし、自治体のトップの言い方一つで印象が変わる。

高速道路のパーキングエリアで検温し、「マズイところに来てしまったと後悔してもらえばいい」と強い調子で言った知事発言は炎上した。

一方で、「会いたいからこそ、今は会わないようにしませんか。それが収束を早めます」と訴えた県には、「素適なメッセージが心に響いた」と賛意が寄せられた。非常時こそ、とっさのひとことが問われる。

 

(島根県の呼びかけ)