免疫学の第一人者、
大阪大学免疫学フロンティア研究センター名誉教授の
宮坂昌之さんに電話インタビューした。
不安材料が多い中、安心出来る話も伺えた。
これまでの感染症対策では、「集団免疫」が重要とされてきた。
ある集団で一定の人が免疫を獲得すると、その集団では感染が広がらない。だが、最近、その考え方に変化が出て来た。
ワクチンや罹患によって得られるものは「獲得免疫」。
我々が生まれ持っているものは「自然免疫」。
これまでは、獲得免疫による集団免疫が重要と考えられてきたが、
今では、獲得免疫が働く前に、
自然免疫がウイルスを追い出すことがわかってきた。
自然免疫がうまく機能する人々は、集団免疫がなくても感染しない。
治療法が見つからなくても、人口の6割から7割が感染するなんて絶対に起こり得ないという。
大事なことは、ウイルスを大量に浴びないこと。
少量であれば、自然免疫で追い出せる。
新型コロナは、100万個ほどが体内に入らないと、感染は起こらない。デマに踊らされないためにも、正しいリテラシーを持つ必要がある。少量でも体内に入れば感染するようなことは決してない。
あくまで量の問題なので、そういう意味では「距離エチケット」は大切になってくる。
自然免疫を高めるには、体内時計を狂わせないこと。
体内時計は、免役を支配している。食欲や睡眠も支配している。
したがって体内時計がうまく働くと、食欲は増し、よく眠れる。
体内時計を正しく動かすには、規則正しい生活を送ること。
早起きして、朝日を浴びながら歩く。
血液やリンパの流れを良くするために体温を上げることが大事。
湯舟に長めに浸かるようにしたらいい。
繊維質の多い食品や発酵商品を摂取すると腸管が刺激されていい。
自然免疫が機能する限り、感染する可能性は極めて低くなる。
(宮坂昌之さん)