麒麟がくる! | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

久しぶりの大河ドラマらしい大河が戻ってきた。

まず、オープニングタイトルの字体からして、

往年の大河を彷彿とさせる。

ワンシーン長回しは、見ごたえがある。

カットが慌ただしく切り替わらないから、

登場人物の心情に共感しやすい。

色鮮やかな衣装も見栄えがするし、人物の性格も類推しやすい。

 

明智光秀というと、「逆臣」「裏切り」というイメージがあるので、

かねてから、大河の主人公になりにくいのではという先入観念があった。だが、若き日の光秀は、史料に登場していないので、創作がしやすい。従来の光秀像は白紙にして描きやすい。

脚本家の池端俊策さんは、74歳のベテラン。29年前の大河「太平記」の脚本も担当した。室町幕府を開いた足利尊氏が主人公のドラマだったが、今度は室町幕府の終焉が描かれる。

長谷川博己さん演じる光秀には、ついこの前の朝ドラ「まんぷく」のマンペイさんのイメージも残っている。繊細で誠実で優しい。

ただ、どこかにある種の殺気と緊迫感があるのは、マンペイさんになかったところだ。その両面が演じられるからこその主役起用なのだろう。

 

長谷川さんの好演はもとより、一筋縄でいかない斎藤道三の本木雅弘さん、食えないオヤジといった風情の松永久秀の吉田鋼太郎さん、飄々とした農民菊丸の岡村隆史さん、脇もしっかり固められている。

日曜日の楽しみが戻ってきた。