二村知子さんに聴く | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

大阪ことば磨き塾。

ゲストに二村知子さんをお呼びした。

ボクがインタビューをしてから、塾生の質問に答えてもらった。

 

このブログにも何度も登場している二村さん。

創業70年の隆祥館書店の店主。

13坪の店で、

彼女が目利きした本を顧客の好みに合わせて売っている。

先代の父・善明さんは「書店は、読者と出版社の仲介をするところ」と

言っていた。その思いを受け継いで始めた「作家と読者のつどい」は、250回を数える。

 

書店経営は厳しい。大手取次の厚い壁にたじろぐことも多い。何度も幕引きを考えたこともある。

シンクロの選手時代、井村雅代監督から言われた「限界はあんたが決めるんやない」ということばに支えられて、何度も限界を乗り越えてきた。「敵は己の妥協にあり」ということばにも、気を引き締められた。

 

華奢な身体なのに、バイタリティーの塊。

決してあきらめない、へこたれない。

一途に一本道。

だが、パニック障害で、どこにも一人で行けなかった時がある。

地下鉄にも乗れなかった。美容院にも銀行にも行けなかった。

その時も、唯一、本屋の店先は安住の場所だった。

店に置く本は、全部目を通す。

読んで納得出来ない本は置かない。頑固だ。

父の反対を押し切って、出獄間もないホリエモンを招いたこともある。

つい先日も、れいわ新鮮組の山本太郎を招いた。

物議を醸しても、平気な顔をしている。根性が座っている。

 

でも、「アカンタレ」なところもある。

「これでいいのか」と迷っている。だから周りが手を差し伸べたくなる。

この日、話を聴いた塾生たちも、一気に二村ファンになったようだ。