勝海舟のことば | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

勝海舟記念館に足を運んだことをきっかけに、

勝海舟のことを、もう少し知りたいと「勝海舟修養訓」を読んだ。

 

著者の石川真理子さんは、武士道を通して、人の在り方を模索してきたが、海舟は、その行動規範を教えてくれた師の一人だ。

そのことばは、実に痛快この上なく、示唆に富み、情感あふれた味わい深いものだ。

若い頃の極貧生活、20回にも及ぶ襲撃事件、慶喜との恩讐を超えた付き合い、江戸庶民とのざっくばらんな交流、その波乱万丈の人生から滲み出たことばに鼓舞される。

 

そのいつくかを紹介。

●己を作り上げるのは己だ。自省自修。

●ただ目の前のことに無心に取り組む。結果を先に求めない。

●なんといっても大精神が必要。

 大精神とは、日本人の精神性に国際的な視野を併せ持つこと。

●きょうの是は、明日の非。明日の非は、明後日の是。

●艱難辛苦に遭遇すると一生懸命になるが、これが一番の毒。

 いちいち頭にこたえるようでは大事業はなせない。

 じっと騒がず寝転んでいる。

●反対するものには、どんどん反対させたらいい。

 自分の行うことが是なら、彼らもいつかは悟るだろう。

 固執しない。排除しない。人を責めない。

 正義に固執すると無私ではいられなくなる。

●広い天下に俺に賛成するものは誰もいなかったが、

 世の中には道があるものと楽しんでいた。

●天下は大活物。単なる知識でしかない学問は役立たない。

●いつになったらという思いを捨てて、ただただ続ける。

 22歳のとき、蘭学書ズーフハルマ58巻2部書写。

●なにごともすべて忘れてこそ縦横自在の判断が出来る。

 慶喜という上司の前言撤回に2度振り回されたことがあるが…。

●わが守るところが大道なら、ほかの小道は放っておけ。

 言わせておいて争わない。

 小道がすぐ消えるが、大道は後世まで残る。

●今のことは今知れて、今の人に褒められなくては承知しないという

 尻の穴の小さいやつばかりだ。

 評価を今現在に求めるなかれ。